2022年12月12日月曜日

食欲番組

                              

 ある晩の酒のつまみ。辛み大根のおろし、フェイジョアとフィンガーライムが各1個=写真上1。ほかに、曲がりネギの入った湯豆腐が出た。湯豆腐以外は自分で用意した。

 辛み大根は、夏井川渓谷の隠居の畑で栽培し、取り残したのが開花して結実したのがそのまま落下して自生した。

 今年(2022年)はけっこうな数が育った。しかも、思った以上にずんぐりしている。毎週1本のペースで引っこ抜き、おろして、酒のつまみにしている。

 あるとき、葉が大きく育った辛み大根を引っこ抜こうとしたら、頭が突き出ていて異様に太く長い。脇にスコップを入れて土をほぐした。なんと普通の大根が出てきた。

 大根の種をまいて育てたことはある。が、それは震災前だ。震災後は全面除染の対象になり、庭の表土を5センチほどはぎとり、新しい山砂を入れた。

 そのあと、簡単に収穫できるものをと、カブ、ラディッシュを栽培したことはあるが、大根はない。

 なにがなんだかわからない。しかも、立派な大根だった。半分切って料理に回したところで、ハッと気づく。記録に残しておかないと。それでカメラを向けたのがこれ=写真上2。

 フェイジョアは後輩が栽培している。果実だ。落果したのを追い熟させてから生食する、というので、3個をもらった。時間をおいてつまみにし、残った1個を食べた。

 フィンガーライムは、好間の生木葉ファームで買った。2回目だ。1回目は食べ方がわからず、切ってそのままお湯割り用のグラスに入れた。なんの味もしなかった。

 2回目は、同ファームの奥さんに食べ方を教わった。中に魚卵のような粒々が入っている。それを絞りだして食べるのだという。

 口に入れて粒々をかむと甘酸っぱい。なるほど、西洋料理にこの粒々が添えられると、ちょっと想定外の味がするのではないか。

 この日の酒のつまみは、その意味ではカミサンの料理のほかに、たまたまそばにあったものを追加した。それだけで十分、豊かな気分になった。

 晩酌は、だらだらと2時間近く続く。テレビのニュース番組をつけっぱなしにしながら、ブログの下書きをつくるからだ。

 こちらが年をとって食欲がしぼんできたせいもあるが……。ローカル局の場合、リポートはおおむね食べ物だ。また食欲番組かよ! 安直な組み立てがイヤになって、チャンネルを替えることが増えた。

 キー局もそう。ラーメンだ、カレーだとやっている。それが鼻につくものだから、テレビを消してしまう。

 テレビは、ジャーナリズムとエンターティンメントの二本立てだが、エンタメも食欲に傾きすぎるとつまらなくなる。

ささやかな晩酌のつまみに一喜一憂している年寄りもまた、食欲ブログを書いている。食欲は生きる希望の源泉とはいえ、発信する側の人間は、こちらが驚くくらいの新しい情報を探し出してくれよ、と言いたくなるのだった。

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