日曜日(12月18日)の朝は快晴だった。夏井川渓谷の隠居へ行く途中、三島(小川町)の夏井川にハクチョウが150羽ほど休んでいた。
車と並走するように、飛び立ったばかりの数羽をカミサンが撮影した=写真上1。雲一つない空をバックに、白い鳥がゆっくり羽ばたいていく。それはそれで絵になる光景だった。
土曜日は午後、雨がぱらついた。その時間、市文化センターで集まりがあった。天気予報に従って、傘を持って出かけた。
私自身は傘を使わずに済んだが、ときどき窓から外を眺めると、傘をさしている人がいた。夕方にはやみ、夜中になってまた降ったのだろう。朝は路面がところどころ濡れていた。
山は雪か――。少し心配しながら田んぼ道を行くと、阿武隈の山並みは全然、雪をかぶっていない。雨に濡れただけだった。
月に1回、わが家の隣に移動図書館がやって来る。いわきには北と南の二つのエリアを巡回する移動図書館がある。「いわき号」と「しおかぜ」で、いわき号は北のエリアをカバーする。小白井(川前町)は雪が積もっていた、という。
「東北の湘南」などと自称するが、それは平地の話で、中山間地でも標高の高いところは「雪国・東北の南端」といった方が早い。いわきでは冬、湘南と雪国が同居する。それがいよいよ始まったのだ。
標高200メートルほどの牛小川(夏井川渓谷)は「雪国」ではない。いわきの海岸~平地はシイ・カシなどの照葉樹が分布する暖温帯、阿武隈の山地はブナなどの夏緑樹が中心の冷温帯、夏井川渓谷は両方が交差する中間温帯だ。
ヤブツバキは照葉樹林を代表する樹種のひとつで、冬に花が咲く。夏井川流域では渓谷の谷間あたりが分布の限界らしい。
渓谷の入り口にあたる高崎(小川町)で花が咲いていた。師走のうちに花を見るのは珍しい。ではと、渓谷に入ってチェックしたが、こちらはまだのようだった。
隠居へは10時ごろに着いた。いつものように畑に生ごみを埋め、三春ネギを数本抜いた。30分ほどで土いじりを終え、こたつに入っていると、カミサンが叫んだ。「雪だ、雪がふっかけてきた」
さっきまで青空だったのが、乳白色の雪雲に変わり、あられのような雪が風に舞っている=写真上2。
ううー、なんだ、これは。積もるとまずい。早く帰らないと――。想定外の天気の急変に眉をしかめたが、意外や意外、あっという間に雪雲は去って青空が戻った。これが冬の天気なのだろう。
いつもより早めに街へ下る。道に雪の痕跡はない。車が感知する外気温は6度(渓谷)から10度(街)に上がった。
夜のニュースで鹿児島県内の各地が雪に見舞われたことを知って、いわきの平地のしのぎやすさをあらためて実感した。
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