2022年12月25日日曜日

18リットルの灯油缶

        
 ポリエチレン製の灯油缶は、車のトランクに5個入る。冬場は、といっても11月から4月までの半年だが、暖房のために3~5缶積んでスタンドへ買いに行く=写真。

 缶の大きさは2つ。18リットル用と、同じ縦長でそれよりはちょっと大きい20リットル用だ。どれにも18リットルを入れてもらう。

 何十年も使っていると、劣化してキャップにひびが入る。灯油が漏れないよう、ポリエチレンのシートをかぶせてカバーしたが、それにも限度がある。

 近くのホームセンターへ新しい灯油缶を買いに行った。なんと、缶の形状がガラリと変わっていた。頭の中では家にある灯油缶を探すのだが、それより小さいものしかない。

 実は先日、いわき地域学會の市民講座が開かれたとき、講師の大谷明さんがホームセンターの灯油缶売り場の話をした。それも頭にあった。

一昔前と違って、20~18リットル用から10リットル用に切り替わっていた、という。その通りだった。

 10リットル缶が並ぶ中から、今までと同じサイズの18リットル缶を選んだ。20リットル缶もあるが、これは正方形に近い。手で持つには幅がありすぎる。専用の台車に載せて運ぶのだろう。

 サイズが変更された理由は、だいたい想像がつく。核家族、少子・高齢化が進んで、私たちがそうであるように、高齢夫婦あるいは独り暮らし世帯が増えた。18~20リットル缶は、もはや年寄りが持ち運べる大きさ・重量ではなくなった。

 私が18リットル缶を選んだのは、それらに灯油を入れても、まだ両手に持って運べるという自負、いやもう過信といってもいいか、があるからだ。

 実際は、ときどき腰に痛みが走る。一種の筋肉痛だと思うが、それでもまだ車から玄関くらいまでなら、灯油缶は持ち運びができる。

 しかし、これから先が問題だ。「団塊の世代」(昭和22~24年生まれ)も、最初の組が今年(2022年)、後期高齢者の仲間入りをした。私は二番手だ。やはり、加齢とともに体力が落ちてきた。

10リットルの灯油缶が主流になったのは、そうした時代背景、社会環境の変化からだと実感できる。

 その意味では、団塊の世代がこの世から退場するまでは、生活万般でこうした変化が見られるのではないだろうか。

 週刊少年雑誌、テレビ、受験競争、学園紛争、企業戦士、大量消費……。いろんなキーワードとともに生きてきた。

 団塊の世代が退場したあと、葬儀場はどうなるのだろう。すでに家族葬などの小規模化が進行し、コロナ禍が加わった。小規模・簡素化は避けられないのではないか。

ストーブとヒーターで部屋を暖めながら、とりあえず自分のそのときをわきに置いて、あれこれ考えてみるのだった。

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