2023年6月23日金曜日

小ネギとジャガイモの味噌汁

                     
   日曜日(6月18日)は夏井川渓谷の隠居でネギ苗の選別をした。ほんとうは一気に定植までもっていきたかったのだが、前日に引き続きカンカン照りになった。直射日光の下での作業は避けたい――そう考えて選別だけにとどめた。

ネギ苗は定植できるほどに生長している。しかし根が浅いので、雨が降ったり風が吹いたりすると倒れやすくなる。現にあらかた倒伏していた。

とりあえず選別するために、苗床にスコップを入れて土をほぐし、苗のかたまりを一輪車に載せてシダレザクラの樹下に移動した。

渓谷の小集落では、田村地方から伝わった秋まきの「三春ネギ」を栽培している。その種と苗をもらって、隠居の畑で栽培を始めてから20年以上がたつ。

初めは失敗の連続だった。ネギ坊主から採った種を袋に入れて、隠居の下駄箱の上に置いた。「常温保管」のつもりだったが、秋にまいたらさっぱり発芽しない。

再び集落の住民に苗と種をもらって栽培を続けるうちに、ネギの種は「冷温保管」が必要なことを知った。冷蔵庫に入れておくと、やっと発芽した。

以来、ネギ坊主からの採種(6月)~冷蔵庫での保管~播種(10月)~苗の定植(5~6月)というサイクルでネギの栽培を続けている。

ネギ苗はかじかみながら越冬したあと、ぐんぐん生長する。鉛筆、ときには大人の小指大になったら植えごろだ。

それが今年(2023年)は春の陽気も手伝って順調に育った。一方で定植用の溝をつくるのが遅れた。

6月に入って溝をつくったものの、肝心の日曜日に行事があったり、雨が降ったりして作業がはかどらない、晴れれば熱中症が心配なほど暑くなる、というわけで、先の日曜日はネギ苗の選別だけにとどめた。

いつものことながら、定植に回せるものは3分の1くらいしかない。残りは土に返すか、「小ネギ」として利用する。そのための再選別もした。

 「小ネギ」は土が付いたままだ。そのまま持ち帰ったら、料理までの下ごしらえに時間がかかる。そのため、食べる分を見計らって土を洗い流し、枯れた外皮をはがして、きれいにする。これだと、カミサンも料理しやすい。人にもあげやすい。

 まずは小ネギとジャガイモの味噌汁になって出てきた=写真。未熟なネギなので、三春ネギの甘みはまだない。しかし、香りは三春ネギそのものだ。

ジャガイモの甘みと、口いっぱいに広がるネギの香り――これは、晩秋のネギジャガの味噌汁とそう変わらない。このためだけに三春ネギをつくっているようなものだ。

小ネギはしばらく、味噌汁や冷ややっこ、卵焼きなどに利用する。味は薄いが、香りは強い。この香りを楽しむ。あとは種選りと定植だ。これはもう先送りができない。

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