2023年6月19日月曜日

もうコスモスの花が

                     
 わが家の小さな庭でも、「あれっ」と思うことがときどきおこる。5月から6月にかけて「季節外れ」のコスモスの花が1輪、そしてあとからまた1輪咲いた=写真上。今も咲き続けている。

 同じようなことが各地でおこっているらしい。いわき民報が6月7日付で“早咲きコスモス”を取り上げていた=写真下。

 記事で紹介されていたのは平下平窪の民家の庭だ。5月の終わりごろ、家の人がなにげなく庭を見たら咲いていた。それはわが家でも同じ。たまたま庭に出ると、花が咲いているのに気がついた。

 平の園芸ソムリエ・土づくりアドバイザーによると、こぼれ種から発芽したコスモスでは、ひんぱんにみられる現象らしい。

 コスモスは一般に、6月ごろ種をまき、7月に入ると苗が店頭に並ぶ――と記事にある。つまり、秋の開花に合わせるには今ごろから人間が手をかける、ということらしい。

 いわき語に「ふっつぇ」がある。「自然に生まれた」ことを意味する。こぼれ種から生えてきたのはすべて「ふっつえ」だ。シソがそう。ミツバも、辛み大根もこぼれ種で増える。コスモスもそうだったか。

 自分のブログを確かめると、7年前の9月にも「ふっつぇコスモス」について書いていた。「ふっつぇ」のほかに「やご」がある。それについても紹介している。

――「ふっつぇ」とは「どこからともなく種が飛んできて、知らぬ間に自然に生えること」(いわき市教委編『いわきの方言調査報告書』2003年)だという。

 夏井川渓谷の小集落に隠居がある。そこで小さな菜園を始めたら、ミツバが勝手に生えてきた。一度種をまいたシソは、それから毎年、勝手に生えてくる。土中に残ったジャガイモの小玉も、春になると芽を出す。それを「ふっつぇ」という、と住民に教えられた。

「やご」は、同じく『いわきの方言調査報告書』によれば、「植物の切り株から出る新芽・新しい枝」のことだ。

たとえば、春の白菜の菜の花。花芽が次々に現れる。それを食べたいばかりに、わざわざ白菜の種まきを遅らせる人がいる。この方言も、やはり溪谷の住民から教えられた。

 ついでながら、「やご」と聞くと、トンボのヤゴ(幼虫)を連想してしまう。関連はあるのかないのか。気になってしかたがない――。

 コスモスを検索すると、開花時期は6~11月と長い。ある所では、早いうちに種をまいたのか、花畑でコスモスが咲き始めていた。「ふっつぇ」だけではない。人為も含めた開花時期だった。

 早咲きコスモスの記事には、受粉環境によっては翌年、八重咲きになったり、色が変化したりする、ともあった。これはおもしろい。

 庭のドクダミは白い十字の「花」だが、このごろは八重咲きも見られる。今年(2023年)は5個あった。次は八重のコスモスを見たい。

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