2023年6月24日土曜日

扇風機を買う

                                 
 わが家の茶の間は、真夏になると蒸し風呂状態になる。ある年はこんな状態だった。――在宅ワークは汗まみれ。茶の間が庭に南面し、パソコンに向かって仕事をしていると、庭の照り返しを背中に受ける。

西側は押し入れと床の間。風の通り道はない。北側は壁。東側は台所。それで、窓や戸を全開していても、茶の間の熱の逃げ場がない。前も熱、後ろも熱。扇風機の効用も限定的、部分的だ。
 さっぱり茶の間で昼寝ができなくなった。茶の間の北隣は西に窓のある寝室。午前中はまだ暑さとは無縁だ。午後になると、徐々に日が差し込む。

ベッドで昼寝をした。時折、涼風が入り込む。汗ばみながらも周期的に体をなでる涼風に、梅雨明け以後、初めてシエスタができた――。

わが家はつまり、エアコンとは無縁の「昭和の家」だ。これから、引用したブログのような事態になる。夏場は扇風機が欠かせない。

だんだん暑さがこたえるようになったので、カミサンが扇風機を出してかけたら異音がする。かすかに振動もしている。

 すかさずカミサンが叫ぶ。「〇×さんだ!」。後輩に見てもらおう、という意味だ。そのためだけに連絡するのははばかられる。

 たまたまビワの実とイワシのお福分けを持ってきてくれた。そのときに事情を話すと、扇風機を持ち帰って調べてみるか、となった。

 翌日にはグミの実とともに、扇風機を持って来た。3枚ある羽根のうち、1枚の先端が欠けている。それが問題の原因らしい。

 DIYが得意な後輩でも、扇風機の羽根のスペアはない。ネットで発注するか、廃棄された扇風機から羽根をリサイクルして調達するしかない、という。

羽根の欠けは、異音と振動がおきたときに見てわかっていた。それが回転バランスを崩していたのだと、遅まきながら納得した。

翌日から2日間は真夏のような暑さになった。家の窓と戸を全開しても、茶の間には熱がこもった。この夏の暑さを考えると、すぐにでも扇風機が欲しい。

日曜日(6月18日)に夏井川渓谷の隠居で土いじりをし、あまりの暑さに早々と切り上げたあと、街の家電量販店へ直行した。

目当てはもちろん扇風機だ。店のスタッフは「DC扇風機」を勧める。直流の電流によって羽根を回転させるもので、音が静かなだけでなく、消費電力も小さくてすむという。

しかも、リモコンで運転を始めたり、風量を調節したりすることができる。就眠時にはあらかじめ30分ごとに風量を下げるようなこともボタン一つでできる。

テレビがそうであるように、扇風機もリモコンで、となれば、いよいよ茶の間ではただ座っているか、横になっているだけでいいことになる。

とはいえ、置く場所が問題だ。テレビの左側に置けば、間にカミサンが座るので風が遮られる。右側に置けば人間の移動の邪魔になる。

どちらにしても「昭和の家」だから、ある程度は不便を前提にして暮らすしかない。「扇風機があるだけでよしとするのだよ」と、これはどこか天の方から降りてきたような声。

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