この日は容器包装プラスチックの収集日。ある集積所にこれが出されていた。それから一気に、ごみとカラスと人間の話になった。
違反ごみが後を絶たない。国道沿いにある集積所は、通りすがりの車が止まってごみ袋を置いていく。曜日の違反、中身の違反だけではない。一般ごみとは異なるレンジやスト―ブなどの廃棄物(有料)も捨てる。住宅街の細い路地でも事情は変わらない。
生ごみ、つまり「燃やすごみ」の場合は、出し方が悪いとたちまちカラスに狙われる=写真。それを防ぐために、集積所にごみネットが備えられる。わが家の前の集積所では、わが家でごみネットを出し入れする。私が月曜日に出して、カミサンが木曜日に引っこめる。ごみネットがあると違反ごみを置いていかれる。美観と人間対策だ。
ネットを張るのは、むろんカラス対策である。しかし、「燃やすごみ」を単にネットの下に置くだけではだめなのだ。ネットのヘリをごみ袋の下に入れて、ごみ袋を重し代わりにしないと、カラスに簡単に引っぱり出される。カラスはいつも人間の上をいく。
地域のごみ問題はエンドレス。違反ごみが出されても怒らないことにしている、という役員さんがいた。どこの誰が違反したのか、結局はわからない。ならば、マナーやルールを学ばない人間はどこにでもいる、と“達観”して、カラスが散らかしたあとを片づける。そうでないと神経が持たない、という。
どこでもごみの出し方が問題になるのは、カラスのふるまいに懲りているからだ。自分の出したごみが他人に迷惑をかけ、カラスにつっつかれるかもしれない、という想像力が一部の人間には欠けている。
エンドレスであれば、それをいちいち問題にしてもしかたがない。私も「またか」と受け止めて、腹を立てないことにするか。カラスにやられないように、決まった曜日まで違反ごみをわが家で仮置きする。美観のためには、それが一番。先日、それを実行したばかりだ。
ごみ集積所はこうして、人間について学び、カラスについて考える絶好のフィールド(現場)となる。
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