2019年5月22日水曜日

雨水の逃げ道

農家にとっては待望の雨、家庭菜園をやっている人間にも――とはいえ、きのう(5月21日)の大雨では、雨水を飲み込めずに冠水した生活道路もある。土砂降りのうえに風が吹き荒れた。ミニ台風のようなものだった。
いわき市平の東方、わが生活圏の神谷(かべや)では、朝の7時あたりに雨が降りはじめ、午後2時には福島地方気象台からいわき市を対象に「土砂災害警戒情報」が発表された。

神谷は水害常襲地帯だ。大雨に見舞われるとたちまち歩道が“川”になり、車道も冠水する。わが家の前の歩道がいつも最初に水没する

東日本大震災の前年(2010年)6月、土砂降りの雨で家の前の歩道が冠水した。たまたま私より2代前の区長さんがそれを見て、市に改善方を要望した。半年後の1月、わが家の前の側溝から車道の下に埋設されている下水管に、雨水を逃がすための管が直結された。以来、車道まで冠水することはめったになくなった。

午後3時すぎ――。市役所の職員が雨合羽姿で現れた。隣の行政区の字名を言う。ピンときた。そこの区長さんから排水の悪さを聞いていた。震災後、一帯の田んぼが宅地に替わった。雨が降れば田んぼが遊水地になったが、宅地化した今は、小さな排水路(元田んぼの用水路)だけでは雨水を飲み込めない。役所に連絡がいって、職員が現場を見に来たのだろう。

夕方、雨脚が弱まる。玄関に立って庭の様子を見ていると、そばのフヨウの葉陰で雨宿りをしているフタトガリコヤガの幼虫が目に留まった=写真。この幼虫は、いつもは葉の上でへりから中央へと葉をむしゃむしゃやっている。背中の突起には1ミリほどの水玉が付いている。ああ、おまえもこの大雨をそうしてやりすごそうとしているのか。

それに比べてこのおれは――。豪雨を理由に、公民館へ球技大会のメンバー表を届けるのを一日延ばしにした。バレーボールは責任者から受け取った。ソフトボールは、人数の確保がまだできない、という連絡が入った。半分は届けないというより、届けられなかったのだが。

これは別の公民館の話――。2019年度後期の市民講座の内容を詰めるやりとりのなかで、きのうの様子を伝えてきた。前期の市民講座が開講式を迎えた。ところが、この雨だ。欠席の連絡が相次いだという。いきなりの豪雨に、人間も、人間以外のいきものも、じっとしているしかなかったようだ。

 ☆追記=葉陰の幼虫をフヨウの葉を食べるフタトガリコヤガと書きましたが、どうやらヒオドシチョウの幼虫のようです。そのあと、この幼虫は別の葉裏に移動し、ぶら下がったままの状態(前蛹)になりました。色や模様からもフタトガリコヤガとは違っていました。

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