形が変わっている。二枚貝だが、棒状だ。最後の砂出しを兼ねて、塩水にマテガイを入れたあと=写真、味噌汁にした。二枚貝だから加熱されると、パカッと開く。
どう開くのだろう。椀に入ったマテガイを見たら、観音開きになっていた。水平に生きるアサリは上下に、垂直に生きるマテガイは左右に開くというわけか。
いわき市四倉産だという。いわきでも潮干狩りのできる砂浜がある。というより、港の一部が堆砂して干潮時には砂浜になる。そこに生息しているらしい。知る人ぞ知るスポットだ。
昔、鮫川河口の岩間海岸でコタマガイが採れたことがある。では、夏井川河口の新舞子海岸でも――と出かけたら、小さな穴の開いた貝殻がいっぱいあった。ツメタガイが二枚貝を襲って穴を開け、中身を食べたあとだった。いわきの海岸はたいがい外洋に面している。潮干狩りができるのは例外かもしれない。
マテガイ汁にする。貝がパカッと開いているのは先に述べた通り。貝肉はアサリやシジミだと三角形に近いが、こちらはひものように細長い。かむと、やはり貝だ。弾力がある。身が細いから、次から次に口に入る。
昔からいわきのハマに生息していたのだろうか。あるいは、どこからか渡って来て繁殖したのだろうか。ハマの人間ならともかく、内陸部でマテガイが食べられるというのは、今までなかったことだ。かたちからして珍味には違いない。
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