鉄道の本が出た、写真集が出た、というたびに、本屋でパラパラやる。すると、決まって磐東線は抜けている。会津を走る磐越西線は逆に、たいがい載っている。この落差はなんなのだろう。週末、夏井川渓谷の隠居へ出かけ、そばを通る磐東線の列車を時計代わりにしている人間としては、はなはだおもしろくない。
そんななかでの、東北本線~磐東線沿いの桜の見どころを紹介するテレビ番組――と思ったら、半分はグルメ番組だった。磐東線に乗り換えてからの食べ物は、三春・三角油揚げ、小野・アイスバーガー、いわき・デカ盛り、桜は三春の滝桜、夏井の千本桜などだった。平にデカ盛りの食堂があることを初めて知った。
磐東線を取り上げたことには敬意を表したい。しかし――。夏井駅で近くの千本桜を紹介した次は、夏井川渓谷だ、どこまで取り上げるのかと、期待して見ていたら、江田駅を過ぎて山陰にカーブする列車を撮った=写真=だけで終わった。夏井川渓谷にはヤマザクラと一緒に「岩ツツジ」が咲いている――そんなナレーションが入っただけだった。
<おい、おい、それはないだろう。「岩ツツジ」は方言だよ、ちゃんと和名の「アカヤシオ」といってくれよ>。そんなことをテレビに向かって叫んでもしかたないので、胸のなかだけにとどめておく。
夏井川渓谷に関しては、ネットでササッとリサーチしただけだったか。プロデューサーかディレクターかは知らないが、夏井川渓谷の扱いはおざなりだった。週末だけの半住民の目から見ると、そのことがよくわかる。
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