初回はほろ酔い気分だったこともあって、オブジェと、「雨が多いからキノコも多いんだよ」と、幼い娘を連れた父親がインタビューに答えるのをパチリとやるだけだった。あとでデータを見たら、いかにも雨の多いマチと思い込みそうだが、実際は違っていた。キノコのオブジェに引っかけた冗談だった。そのあとに、実際は「降らないね、雨は少ない」と答えている。
字幕を写真で確かめる。「スペインではみんなよく外でビールを飲むんだ」「通りに出て友だちと話し ワインやタパスをやるのが好きなのさ」「そして子どもたちは親の楽しんでいる間 ここで遊ぶっていうわけ」(父親)。幼い娘はベニテングタケのオブジェについて、「とっても楽しい 森みたい」という。
ヨーロッパでは、ベニテングタケが幸福や幸運のシンボルになっている。絵本やグッズによく登場する。毒キノコがなぜ? あちらでは身近なキノコであること、赤い傘に白いイボの配色が愛らしいこと、毒といっても水にさらしたりゆでたりすれば無毒化が可能で美味なこと、などが理由だろうか。
ベニテングタケはシラカバなどと共生する菌根菌だ。シラカバの自生しないいわきでは、まずお目にかかれない。しかし、植えられたシラカバ林がある。その林かどうかは不明だが、偶然、ベニテングタケを撮った人がいる。故奈良俊彦さん。自著の『阿武隈のきのこ』にその写真が載る。
アリカンテは地中海に面した港湾都市である。気候区分では「ステップ気候」(乾燥帯)だそうだから、ベニテングタケの発生はどうだろう。キノコの多い少ないはともかく、まちなかにオブジェが置かれるほど、ベニテングタケがヨーロッパに広く浸透している、ということだけはわかった。
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