2020年5月13日水曜日

「化粧してから撮る」

 きのう(5月12日)は早朝、夏井川渓谷の隠居へ出かけて、キュウリの苗=写真下=に水をやった。8時過ぎには家に戻った。
 4月下旬、平のホームセンターからポットのキュウリ苗3本を買って植えつけた。ところが、4日後の日曜日に見たら、2本の葉がしおれて黄色くなっている。

 買う前の中旬、同じホームセンターで見たときにはシャキッとしていた。買いに行ったらみすぼらしい苗しか残っていなかった。葉に白っぽい点々ができていた。活着したのは小さく未熟な苗だけだった。その苗も極端に育ちが悪い。

 新しく植えないといけない。日曜日(5月10日)、同じホームセンターへ寄ってキュウリ苗2本、「激辛」「大辛」のトウガラシを各1本買った。

植える前後にたっぷり水をやったとはいえ、翌日は真夏を思わせる暑さ(いわき市山田町で最高気温28.1度)。土が乾いてキュウリ苗があえいでいたら大変だ。気になって出かけた。キュウリ苗もトウガラシ苗も元気だった。

ネギと違って、キュウリは湿気を好む。風呂場からホースを伸ばして潅水を始めたらやることはない。水やりを終えるまで小一時間、カメラをぶらさげて庭をうろつく。

シダレザクラの樹下のアミガサタケは、もう発生が終わった。もしかして、と思いながら見たが、やはりなかった。それでは、コケの花(胞子嚢)を接写するか――。

3日前の日曜日にもはいつくばって、花のように茎をのばした胞子嚢を撮った。が、パソコンにデータを取り込んで拡大したら、カエデの落ち葉などがコケにからまっている。そうだった。あるがまま、ではだめなのだ。「化粧」が必要なのだ。

いわきキノコ同好会が発足して間もないころ、キノコ写真の第一人者伊沢正名さんを講師に、撮影の勉強会を開いた。伊沢さんはキノコだけでなく、コケなどの隠花植物の撮影も得意にしている。「コケの一念」で博士号を取ったコケ研究の第一人者、湯沢陽一さん(いわき地域学會顧問=私たちの元「山学校」の先生)のつながりでやって来た。

そのときにいわれたのが、「化粧してから撮ること」だった。キノコの傘についているごみを取る、周りの落ち葉なども払う――。図鑑に載っているキノコやコケの胞子嚢がきれいなワケをふと思い出した。
 今度は小さな落ち葉やごみを取ってから地面に横たわり、顔だけ斜めに上げて、手でカメラを支えて撮った。その1枚がこれ=写真上。やはり、ごみを取りきれていない。カメラが微妙に傾いていたらしく、コケの花も真っすぐ写っていない。背後にうす汚れたものが見える。それらに邪魔されてコケの花に視線が集中できない。プロの写真家とは撮るまでの下準備が完ぺきな人をいうのだと、あらためて知る。

「スマホで撮らないの?」。前に100円ショップから「魚眼」と「広角・接写」レンズを買った。なぜそれを利用しないかと、撮影データを見たカミサンに言われる。スマホからパソコンへのデータの取り込み方を頭に入れなければならないのに、先延ばしにしている。「コケの一念」がまだ足りない。

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