わが家では毎年5月20日ごろ、蚊が現れて人を刺す。その“要注意週間”だった先週は、どんよりした天気が続いた。雨も降った。雨がやんだら現れる、と踏んでいたとおりになった。
寒暖を繰り返しながらも、季節は夏へと向かっている。蚊の出現がそれを教えてくれる。低温と雨のあとの日曜日、きのう、いきなり夏の暑さが戻ってきた。
夏井川渓谷の隠居で土いじりをした。朝10時前に着いて菜園を見ると、トウガラシとナス、カブのうねが紫色の花で覆われていた=写真上1。そばに桐(きり)の木がある。見上げると花が満開だった。
うねの草むしりをした。その間にもポトリ、ポトリと桐の花が落ちてくる。肩に、膝に、地面に。花だから痛くはない。が、落下した瞬間に大きな音がする。
カブは古い種をまいた。芽が出なくてもいいや、と思っていたら、けっこう双葉が出てきた。双葉にとっては、桐の花は障害物だ。日光が遮られる。それもあわせて取り除く。
隠居の前で草むしりをしていたカミサンが菜園にやって来たとたん、歓声を上げた。「きれい! こんなに咲いてる桐の花を見たのは初めて。しあわせー」。(きれい? うねの野菜の邪魔になるだけではないか)
カミサンは花を拾い集めて、母屋と風呂場の間の坪庭に置かれた大皿(ちょうず鉢のようにいつも水を張っている。大久の新谷窯製で、へりが欠けて道路沿いの進入口に置かれていたのを譲り受けた)に浮かべた=写真上2。あとで見たら、これは確かにきれいだった。
午前だけでなく、午後も桐の花をわきによけながら草むしりをした。手に持ってじかに鼻に近づけたわけではないのに、ほのかに甘い香りがする。見た目でざっと150~200個も落ちていれば、おのずと地面から匂い立つのだろう。
午後3時には土いじりを切り上げて街へ戻った。緊急事態宣言が解除されて最初の日曜日ということもあってか、渓谷の狭い道路でたびたび車とすれ違った。ふだんの日曜日は1台か2台だが、15台はあったとカミサンがいう。
夏の余韻は夕方以降も続いた。また茶の間で蚊に刺された。前の日は夕方5時前、きのうは同6時前だった。いよいよ蚊取り線香の夏である。
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