2020年5月6日水曜日

車が減った

 原発避難者と廃炉作業員がいわきに集中した9年前、わが生活圏では、車が目に見えて増えた。車で家の前の道路に出ようとすると、左を見、右を見、また左を見て右を見る――これを何度か繰り返さないといけなかった。朝は特に車が途切れない。今も首が振り子になって疲れるときがある。
 が、ここ1カ月、特にこの1週間(大型連休)は、左右の確認がだいたい1回ですむ。外出自粛が地域の隅々にまで浸透した結果、道路を行き交う車が激減した。少し大げさにいうと、アメリカ映画「スケアクロウ」の冒頭シーンのようだ。

 平の街へ行くには、旧道から国道399号(ちょっと前まで国道6号だった)に出る。少し進むと右側に大型パチンコ店がある。片側2車線だから、外側の走行車線の車が遅いときには追い越し車線を利用する、といいたいところだが、パチンコ店が過ぎるまでは我慢して走行車線を走る。

 遅いからといって内側の車線に移った瞬間、パチンコ店への右折車に遮られて、前に進めなくなる。たびたびこれを経験して、「我慢の習慣」ができた。

 ここも4月21日には臨時休業に入った。駐車場がガラ空きになった=写真。旧道だけでなく、基幹道路もスイスイいける。セスナ機が道路に不時着したってかわせるのではないか――そんな余裕が生まれる一方で、事故が起きたらたたではすまない――という恐怖も覚える。

 わが生活圏には、ほかにも大型パチンコ店が3店ある。広い駐車場はどこも満パイだったが、営業自粛の今はさすがに数台しか止まっていない。

おととい(5月4日)、国が緊急事態宣言の期限を5月末まで延長した。いわき市もそれを受けて、①小中学校などは、ゴールデンウイーク中の感染状況を見極めるため、5月6日から2週間後の同20日まで臨時休校を延長する②公共施設は「当面、原則休館」としながらも、21日以降は感染リスクの低いところから段階的に再開できるよう準備を進める――とした。

コロナ禍が収まっていない現状ではやむを得ない措置だろう。道路を行き交う車が減る、ガソリンの消費が抑えられる、空気が澄む――それはいいのだが、しかし経済的にはだんだんカネが回らなくなる、世の中全体が火の車になる――そんな懸念も一方ではふくらむ。

個人的には、図書館へ行けないためにどんどん“宿題”とストレスが溜まる。知恵をめぐらさなければ――。

0 件のコメント: