全国紙の販売店が集金時に「読者の皆様へ」と題するチラシを置いていった=写真。2月からの新型コロナウイルスの影響で新聞折込が激減し、深刻な状況になっている。このままでは販売店の経営維持が厳しいので、経費節減に取り組んでいる。その一環として、集金時に配っていたごみ袋などのサービスを中止する。ご理解・ご協力を――という内容だった。
新聞販売店の経営の根幹をなすのは発行本社と分け合う購読料と、チラシの折込料金だ。その折込がコロナ禍で急激に、大幅に減った。毎日、宅配される新聞を手にしたときの感触でも、それがわかる。常連だったパチンコ店の折込は3月10日あたりから消えた。緊急事態宣言が解除された今も、パチンコ店と一部のスーパーのチラシは復活していない(追記・スーパーは6月1日に復活)。
2007年秋に会社をやめたあとは、一読者として、あるいは“折込ウオッチャー”として新聞に接している。元日には新聞に折り込まれたチラシの枚数を数えて、その年のスタートの景気を測る。2014年は1紙平均53枚、5年後の2019年は同48枚だった。2018年は同53枚だったから、年頭の折込に関してはそう極端に減っているわけではない。
コロナ禍による折込の急減を受けて、毎朝、チラシの数を記録している。4月下旬には全国紙・県紙とも1~2枚だったのが、5月に入ると少し数を増やし、月の前半までは多くて5枚、宣言解除後は少し増えて8枚という日もあった。それでも、ピーク時に比べるとまだまだだろう。
折り込む新聞が決まっている月刊のフリーペーパーは減ページになり、6月休刊を予告するものも出た。飲食店は広告を出すどころではない、そんな状況を反映しているようだ。
各種行事や団体の集まりなどが相次いで中止・延期されたことから、地域紙や県紙も記事が減って紙面を埋めるのに苦労している。そうしたなかで、拙ブログと古巣のいわき民報とのコラボレーション(協働作業)が始まった。
ネットで公開した拙ブログが何日か後に活字になる――これは、私自身が前から願っていたことでもある。ネットと無縁の実年世代にも読んでほしい、という希望と、コロナ禍で新聞づくりに苦労している後輩たちの思いが一致した。
5月中旬に掲載が始まると、すぐ反応があった。それによってまた新しい知見が得られるという、デジタルとアナログのコラボ効果を実感している。このコロナの時代、どこでも、どの業種でも手をこまぬいてはいられない。
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