夫婦2人が食べるだけだから、数は少ない。キュウリは3本、トウガラシは2本。ナスも2本。
ポットからナス苗を取り出し、植えつけた。時間的には最悪だった。午後2時ごろのピークに向かって、気温が上昇しはじめる昼前。谷風が吹いているとはいっても、少し動くだけで汗がにじむ。
現役のころは週末、ひとりで隠居に泊まったから、日差しが弱い夕方、あるいは未明に野菜の苗を植えつけた。根が活着する時間的なゆとりがあった。
真っ昼間では、太陽がぎらついている。根から水分を吸い上げるより、葉から蒸散する量が多いのか、見る間に2本のうち1本の葉がへりから内側へと丸まり気味になった。
直射日光を避けないと――。ずいぶん前にキュウリ苗を植えつけたとき、パラソルを立てた。それにならって、そばの梅の木にこうもり傘を縛りつけ、弱りかけたナス苗に日陰をつくってやった=写真上1。
太陽の運行に伴ってこうもり傘の影も移動する。苗からはずれたらしかたがない、あとは苗自身の生命力にまかせるしかない。
水は井戸からモーターでポンプアップしている。風呂場からホースをのばして、たっぷり水をやり続けた。
その間、隠居で昼飯を食べ、昼寝をした。チクッ。左手の甲に痛みを感じて目が覚めた。なにかいる。手で払ったら畳に落ちた。ムカデだった=写真上2。“選手交代”だ。家の中で冬眠していたカメムシたちは次々に外へ去った。そして今度は、外からアブやブユ、蚊が入って来る季節になった。ムカデもどこからか侵入してきたのだろう。
いわきの平地のわが家では、毎年5月20日ごろ、蚊が現れてチクリとやる。「初めて蚊に刺された日」をメモし続けてわかったことだ。先に植えつけたキュウリ苗も、虫にやられて葉がスカスカになっている。日光と雨と風と虫たちの助け合い・せめぎ合い、そして人間と虫との攻防が始まった。
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