きのう(8月16日)は早朝、月遅れ盆の精霊送りをすませ、一休みしてから夏井川渓谷の隠居へ出かけた。いつものようにキュウリを収穫する。同時に、広葉樹の“ナラ枯れ”(現時点では、私がそう推定しているだけ)がどこまで広がっているのかを確かめる。車で移動しながらチェックするので、カミサンに撮影とメモを頼んだ。
“ナラ枯れ”に気づいたのは月遅れの盆の入り(8月13日)。早朝5時台、隠居へキュウリを摘みに行った。対向車両も後続車両もない。視野を広くとって運転した。万緑のはずの右岸の森がところどころ赤くなっている。松枯れだと主に段状の三角形に近いが、楕円形の“茶髪”だ。広葉樹のナラ枯れ?
どうもそうらしい。それ以外には考えにくい。で、2回目のきのうは左岸の森も見ながら車を進めた。すでに平地の小川町の里山に“茶髪”があった。渓谷に入ると、ロックシェッド付近で、道端の木が何本か“茶髪”になっていた。遠く、近く、さらに遠く――。1回目にチェックした場所とは違うところに赤っぽいかたまりが点在している。
“ナラ枯れ”の見本のような森があった。JR磐越東線江田駅前の夏井川右岸。広葉樹林に茶色のメッシュが入っていた=写真。
隠居に着いてキュウリを収穫し、昼食をとると、山の陰、好間川流域の三和・好間地区の様子が気になった。カミサンは直売所の「三和ふれあい市場」で買い物をしたいという。川前~三和・差塩(さいそ)~同・下市萱~好間~平のルートで“茶髪”の有無をチェックした。
久しぶりの山里巡りだ。ふれあい市場ではナスや漬物・梅干しを買った。コロナ禍が生んだ言葉でいうと、マイクロツーリズム。
川前から差塩へは、宇根尻から夏井川を渡って駆け上がった。谷間の宇根尻が遠望できた。ほぼ万緑だった。差塩もそうだった。下市萱に下ると、国道49号沿いは杉林が続く。“ナラ枯れ”を引き起こすのはコナラやミズナラに穿入(せんにゅう)する昆虫のカシノナガキクイムシ(カシナガ)だ。杉には寄りつかないらしく、三和はあおぐろい緑をたたえたままだった。
好間の大利あたりから、広葉樹が中心の里山に変わった。ほんの少し“茶髪”が入っている。平市街を抜けて夏井川の堤防に出ると、右岸・南白土から山崎の丘陵、そして左岸・中神谷の丘陵に“茶髪”が見られた。
カシナガは南方系の昆虫だという。ナラ枯れは最初、日本海側で問題になった。今は太平洋側でも被害が拡大している。
いわきへは南からやって来たのか。だとしたら、平地から川沿いに山地へと生息域を広げつつあるのではないか。若い知り合いの話では、いわきの北、楢葉町・木戸川の木戸ダム周辺でも同じ現象が見られる。メディアの“調査報道”で詳細を知りたい。
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