今年(2020年)の月遅れ盆は週末と重なった。精霊送りのきょう(8月16日)は日曜日。酷暑続きだったが、起きると曇天だ。早朝6時から8時まで、区の役員が交代で「お盆様」(供物)を受け付ける。
長い梅雨が終わったとたん、朝日に照らされるだけで消耗する「危険な暑さ」が続いた。直射日光が雲に遮られている。それだけでもホッとする。(追記:当番で6時前に行くと、太陽のまわりだけ雲が切れていた。直射日光を浴びて、たちまち汗がにじむ。雲がかかっても薄日か、すぐ太陽が顔を出す。日傘をさしてお盆様を持ってきたおばさんから声がかかった。「熱中症に気をつけて」)
毎年、精霊送りのために県営住宅集会所の庭に祭壇を設ける。庭は道路に面している。路面よりは40センチほど高い。
集会所前に車が止まっていると、お盆様の受け取り、焼香に支障をきたす。14日には「駐車ご遠慮を」のチラシを立て看に張って路上に置く。精霊送りはそこから始まる。3日がかりだ。
祭壇には細い竹、杉の葉、ホオズキ、縄が要る。竹と杉の葉は、私が調達する。祭壇づくりをするのは15日夕。区の役員は月遅れ盆を利用してどこかへ泊まりに行くようなことはできなくなった。
今年は終戦記念日でもあるきのう15日、磐城―国士舘の甲子園高校野球交流試合が行われた。3-4で負けたが、東京のナンバー1チームを相手に善戦した。それを見てから、故伯父の家の庭にある竹を切り、あらかじめ用意しておいた杉の葉とともに、集会所へ運んだ。
まずは草刈りだ。道沿いの石垣に営巣していたアシナガバチに刺されたことがある。ハチがいるかもしれないので注意して――役員さんに一声かけて作業をはじめた。
去年は祭壇づくりの前、サンダル、半ズボンのまま、かがんで竹を切っていたら、足まで切ってしまった、その傷が残っている。今年はそれに懲りて、スニーカーに長ズボンを履き、ハンドカバー・手袋をした。残暑が厳しくてもしかたがない。
赤く熟したホオズキは、会計さんがスーパーから買ってくる。栽培農家が減って値段が高くなった。それで造花も売られている。今年は江戸時代の絵を参考に、ほんもので正面だけを飾った=写真。
そうして迎えた日曜日の朝、ごみ収集車が来てお盆様の積み込みが終わると、集会所で精進あげをする。といっても、これは形だけで、缶ビール1個とつまみを持ち帰ってもらう。それが終わって初めて、やっと自分の「お盆休み」がきたような感覚になる。
祭壇そのものも、昔は石段を三つのぼらないと焼香ができなかった。お年寄りにはそれがきつかった。で、5年前から、道路からじかに焼香できるように、祭壇の向きを90度変えた。路駐があると困るのはこのため。収集車も横付けできない。きのう午後には無事にスペースを確保できた。
コロナ問題があっても、精霊送りは、場所が戸外で「3密」を回避できる。行政にも最初から「中止」の考えはなかったようだ。
精霊送りが終わったら、とりあえず夏井川渓谷の隠居へ行く。きのう(8月15日)書いた「ナラ枯れ」がどこまで広がっているのか、ちゃんとみておきたい気持ちがある。
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