2020年8月21日金曜日

早朝こそシャッターチャンス

        

 これも「早起きは三文の徳」に入るのだろう。きのう(8月20日)朝5時半すぎ、夏井川渓谷の隠居へ出かけた。途中、平下平窪の田んぼ道を通ると、スズメの集団に遭遇した=写真上1。

今回はたまたま助手席にカミサンがいた。カミサンが3コマほどパチリとやった。1羽、2羽ではありきたりだが、100羽前後の集団となれば絶好の被写体だ。向こうから「撮ってください」といっているようなものだから、多少もたもたしてもシャッターチャンスを逃すことはない。スズメもこうして集団になると、人間が驚いて車を止めてしまうくらいの“圧力”がある。

去年(2019年)は同じころ、アオサギの幼鳥が2羽、田んぼ道に立っていた。体の大きさは成鳥そのものだが、全体に灰色っぽい。車のスピードを落として間合いを詰めても、きょとんとしている。カメラの撮影モードを「スピード」に合わせて、1羽が飛び立ったところを連写した。

 初秋の早朝5~6時台といえば、タヌキなどの夜行性の里の生きものは自分の巣へ帰っている。昼行性の鳥や森のリスは目覚めたばかりだが、人間の圧力を受けるほどではない。田んぼ道でも山道でも、意外とおもしろい写真が撮れる。

 月遅れ盆の入りの13日には、渓谷の県道でリスを目撃した。きのうも渓谷の入り口でリスを見た。去年(2019年)は同じ時期の早朝、地獄坂(十石坂とも)でリスが車にはねられて死んでいた。その前にも渓谷で死骸(しがい)を見ている。

13日のリスは、路上に転がっている青い実(柿?)を取ろうとしているところだった。そこへ私の車が接近した。すると、取ろうか取るまいかと逡巡(しゅんじゅん)が始まった。結局は、えさをあきらめて道端から谷側に姿を消したが、この優柔不断さがリスの命取りになりかねない。路上の死骸からは、目覚めたばかりの早朝、とっさの判断が遅れ、車を避けきれなかった――そんなイメージが浮かぶ

震災のあった2011年の6月早朝――。やはり隠居からの帰り、たまたま石森山の林道を利用した。キジの雄が悠然と歩いていた。車を止めてフロントガラス越しに写真を撮ったら、偶然、キジの後方にリスが写っていた。道端に現れたと思ったら、サッと林道を横切った。狙って撮れる生きものではない。そんなウデもない。僥倖(ぎょうこう)だった。

生きたリスの写真はそれ以来撮っていないが、今年(2020年)3月下旬の夕方には、ロックシェッドを過ぎて夏井川第一発電所への入り口にさしかかったとき、カモシカと遭遇した。これは何コマか撮った。 

 里のスズメも、森のリスやカモシカも、いわきの自然・風土を構成する一員には違いない。そこに住む人間とも直接・間接的にかかわり、影響しあっている。それを確かめるためのカメラでもある。

 そういえば、月遅れ盆の最終日16日には、上平窪の田んぼにかかしが立っていた=写真上2。稲穂が垂れ始めた。スズメが群れて田んぼに現れるはずである。

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