2020年8月19日水曜日

“孫”からの絵はがき

  月遅れ盆が終わっても酷暑は続く。立秋が過ぎれば、「暑中見舞い」は「残暑見舞い」になる。が、長梅雨が明けて、「暑中」がないまま立秋を迎えた。「残暑」に暑さのピークがきた。それも尋常ではない酷暑だ。

 土曜日(8月15日)はとうとう、午前中、エアコンのある近所の故伯父の家に駆け込んだ。11日に茶の間の室温が36度を超えた。汗はとめどなく出るのに、頭はさっぱりはたらかない。お盆までに仕上げる約束の原稿がある。家にいては間に合わない。エアコンに頼って仕事をした。

周りからも、フェイスブックの友からも「エアコンを付けたら」と、熱中症を心配する声が届く。体のためにも、頭のためにもその方がいいのはわかっている。年齢を考えると当然だ。東京では熱帯夜のなかで、熱中症で亡くなる高齢者がいる。それを心配してのことだろう。

そんなところへ、おととい(8月17日)、横浜の美大に入学した“孫”から暑中見舞いの絵はがきが届いた=写真。

居間の障子戸を開け、それにもたれかかりながら、黒っぽい浴衣を着た乙女が雲の切れ間の満月に照らされて、なにやら物思いにふけっている――そんな構図の絵だ。隣地との境にはブロック塀。どこかの家の記憶を踏まえたものだとしたら、その一部はわが家の茶の間(障子戸はガラス戸だが)からの“幻影”かもしれない。

私は、茶の間ではいつも庭を背に座っている。今は大学生になった2人の“孫”が来ると、座卓の反対側から庭を、物置とブロック塀を、月を見るかたちで向かい合うようになる。

下の“孫”の大学入学が決まったあと、コロナ問題が起きた。いわきを離れてアパート住まいになったものの、授業はオンライン。リアルに学友と出会うこともない。そのうち、夏休みに入った。家に帰って来るのかと思ったら、コロナでアパートにとどまっている。母親自身、月遅れ盆に中通りの実家へ帰ろうとしたが、親から「来るな」といわれたそうだ。

絵はがきには「暑中お見舞い申し上げます。熱中症やコナロに気をつけてね」とあった。頭ではコロナとわかっていても、回転が速すぎるためにコナロと書いてしまったのだろう。コナロから「コロナ、コンニャロ」と元気がわき、お返しに今の状況を「マンガするんだ(いや、ガマンするんだ)」といってやりたくなった。

「マンガする」は、つまりは漫画を描く意。というのも、“孫”にはイラストと文章を組み合わせた“イラストライター”になったらどうだ、といい続けているからだ。

  ま、それはさておき、祖父母は祖父母で、親は親で、孫は孫でコロナ問題と向き合うしかない。だれもがきつい時代を生きている。 

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