2020年9月11日金曜日

社会への窓が少し開く

「巣ごもり」(ステイホーム)にはコロナ禍の前からなじんでいる。それでも、この半年ほどの「3密」(密閉・密集・密接)回避キャンペーンはこたえた。年金生活者がそうなのだから、現役組はそれこそ天地がひっくり返ったような苦しみを味わったことだろう。

社会に閉塞(へいそく)感が広がった。今も第二波の渦中にある。とはいえ、ここにきて社会への窓が少し開いてきたようにも感じる。その裏には「コロナ禍馴(な)れ」がないわけでもない。そんなときには経緯を振り返り、原点に立ち返ってみるのが一番だ。以下、いわきおどり中止までは拙ブログによる。

1月が過ぎ、2月に入るとメディアがたびたびコロナ問題を報じ、感染が中国から周辺国へ広まりはじめたと思ったら、あっという間にパンデミック(世界的大流行)になった。

4月16日、東京都などの大都市圏だけでなく、すべての地域に緊急事態宣言が出され、いわき市でも「感染防止一斉行動」が実施された。中身は①小・中学校の一斉休校②幼稚園・保育所・放課後児童クラブの一斉休園③公共施設の原則休館――などだった。

それから1カ月余り。緊急事態宣言の解除を受けて、5月21日に市立図書館や美術館が再開された。市内の小中学校も同日から段階的に、6月1日からは通常授業に戻った。

身近なところでは、「3密」を避けるために区内会やいわき地域学會の会合・行事を延期・中止し、それぞれの総会も書面審議に切り替えた。

夏に開催予定だった東京オリンピックは来年(2021年)に延期された。いわき市内でも、2月のいわきサンシャインマラソン大会、8月の小名浜全国花火大会、いわき七夕まつり、いわきおどりが中止になった。

それでも、少しずつ社会は動き出している。それに合わせて8月30日、仲間4人で四倉の「八茎巡検」を敢行した。目的は銅山跡や滝を見ることだった。個人的には今、いわき市内で爆発的に広がっている「ナラ枯れ」が気になるので、その様子も確かめた。幸いというべきか、夏井川渓谷の下流部のような惨状はみられなかった=写真。

公共施設も再開と同時に、3密を避ける対策を取っている。地域学會の市民講座は市文化センター視聴覚教室が会場だが、ここでは受講者の数を10人ちょっとに制限せざるを得ない。同センターの大会議室や大講義室をとなると、他団体と競合する。9月は先を越された。10月、ようやく中会議室が予約できたので、書面審議による総会後初めて、活動再開のメドがたった。

 それと前後して、役所がらみの会合も開催されるようになった。個人的にはきのう(9月10日)が秋の第一歩で、10月に入ると、区内会も含めて役員会その他で少しあわただしくなる。

 コロナ禍、長梅雨、酷暑――。人間と人間のつながりのなかで、そして人間と自然のつながりのなかで、これまでの日常のあり方を問い直す機会になった、と思いたいのだが、3・11のときと同様、「喉(のど)元過ぎれば熱さを忘れる」になりかねない面もある。(きょうは東日本大震災から9年6カ月の月命日、そしてアメリカの同時多発テロ事件が起きた日でもある)

 そういうときには、自分にカツを入れる。日曜日(9月6日)に開かれた自主防災組織リーダー研修会でもいわれたことだが、車のガソリンが半分になったら満タンにする――それが日ごろから災害について考える原点になるのだ、と。 

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