水分と塩分の補給を――。熱中症を予防するためのドクターのアドバイスに従って、8月後半から昼は意識して水分を補給するようにした。糠漬けのキュウリも、半日の浅漬けだけでなく、2~3日入れっぱなしの古漬けを食卓に出すようにした。買って食べる梅干しと違って、糠漬けは自分でできる“塩分補給材”だ。
長い梅雨が明けると、酷暑が続いた。9月に入っても暑さが残っている。カミサンは浅漬けを――というが、体がまだキュウリの古漬けを求めている。
古漬けはできるだけ薄く切る。以前はさっと水につけて塩分を抜いたものだが、今年(2020年)はそれをしない。しょっぱいまま、ご飯のおかずにする=写真。晩酌の時間になれば、焼酎をチェイサーする水にも古漬けのキュウリを入れる。梅干しが切れたときの代用だったが、今は最初からそうする。今度は梅干しとキュウリの古漬けを一緒に入れてみようか。
キュウリは、家庭菜園では人気の野菜の一つだろう。お福分けが今年の夏もたくさん届いた。冬に食べるための古漬けは、糠床とは別に、ホーローのキッチンポットに塩を振って、キュウリを井形に組んで寝かせている。
さすがに9月に入ると、お福分けからキュウリが消えた。わが家でも、台所の軒下のキュウリは早々と枯れた。梅雨にうどんこ病になったせいもあるのか、その後の生長が思わしくなかった。生(な)った実も数えるほどだった。
夏井川渓谷の隠居の庭に植えた3本はそれなりに実を付けた。これも、きのう(9月6日)見ると、あらかた葉が枯れていた。
キッチンポットのキュウリに重しを載せていたら、しみ出た水分の表面に白い膜が張った。一度これを煮沸したが、また膜を張っている。そろそろ飴(あめ)色に変わった古漬けを冷蔵庫にしまう時期がきたようだ。その数、ざっと30本。いや、それ以上はあるかもしれない。一冬、白菜漬けのほかに、口直しで食卓に出すには十分な量だ。
唐突だが、台風10号の動きを伝えるテレビを見ながら思った。気温が高い以上は海水温も高い。海水温が高いから、今、九州地方を通過している台風が「大型で非常に強い勢力」を保ったままなのだろう。
異常な暑さが続き、膨大なエネルギーを持った台風が南の海上から北上して来る。「日本大変」どころか「地球大変」の時代に入ったのだろうか。
だとすると、家庭菜園でさえ常に異常気象を念頭において、いつ、何を植えるか、播(ま)くか、を考えないといけなくなった?
ほんとうならとっくに白菜や大根の種まきを終えていないといけない。三春ネギも一度掘り起こして斜めに植えなおす「やとい」という作業をしなければならない。しかし、今年はやめた。酷暑に体が付いていけなかった。キュウリの古漬けをそのまま口にするのも、知識としてではなく、動物としての本能のようなものか。
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