3月中旬に入った。そろそろかな――。そうふんでいたとおりになった。おととい(3月12日)の夕方、街からの帰りに夏井川の堤防を通ると、新川合流点の平・塩地内からハクチョウの姿が消えていた=写真上1。留鳥のカルガモを除いて、冬鳥のカモたちもどこかへ飛び去ったようだ。
わが生活圏では、平・塩、同・平窪、小川・三島の夏井川にハクチョウとカモが飛来する。平窪が中心だが、ふだんは塩の、週に1回は三島のハクチョウをチェックする。
飛来のピークは師走の後半だったか。12月27日の日曜日朝9時過ぎ、三島にはざっと200羽、いやそれ以上が密集していた。さらに上流、JR磐越東線の跨線橋(国道399号)を越えると、道路両側の田んぼにもいっぱい羽を休めていた。小川だけで300羽以上はいたのではないか。そのころ、塩にもかなりの数が飛来した。
年が明けると間もなく寒波が襲った。籠場の滝の上下流をはじめ、水力発電所の取水堰のある隠居の前の夏井川の水面が凍った。
しかし、この冬の寒波はこれが底だった。その後は気温が高めに推移した。寒暖の波と連動するように、ハクチョウは増減を繰り返し、塩地内では3月に入ると、一気に1ケタ台まで減り、3月10日には2羽までになっていた。
ソメイヨシノも1月の寒波のあと、「休眠打破」が行われたのだろう。小名浜の標本木は去年(2020年)、観測史上最も早い3月24日(平年は4月6日)に開花した。今年は全国的に「かなり早い」開花が予想されている。いわきのソメイヨシノも、昨年並みの早い開花になるのではないか。
この冬は、三島でも塩でも、ハクチョウにえさをやりながらウオッチングする家族連れが多かった。コロナ禍のなか、ハクチョウとのふれあいは3密を避けられる数少ない外遊びのひとつだったに違いない。
人間の世界では新型コロナウイルスが猛威を振るい、鳥の世界では鳥インフルエンザが問題になった。私は、以前はハクチョウに接近して写真を撮っていたものだが、この10年以上は堤防の上から観察するだけだ。
先の日曜日(3月7日)には100羽前後がいた。カミサンは「そんなにいないんじゃないの」というが、ぱっと見の数と写真に基づく実際の数には、かなりの差がある。これまでの経験からいえば、ぱっと見は過少評価になりやすい。1時間後に通ると、やはり同じ数が同じようにして休んでいた。
例年、塩から姿を消しても、三島では少し遅くまで残留している。今年もそうなるのだろう。家に帰る前に、念押しを兼ねて塩の夏井川を見た。ハクチョウもカモも姿はなかった。
ハクチョウからソメイヨシノへ――となれば、夏井川渓谷のアカヤシオ(イワツツジ)も間もなく開花する。最も早い開花は春分の日のころだが、もしかしてその前に咲き出すかもしれない。
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