2021年3月23日火曜日

「今を生き抜く女性たち」展

                     
 3月初め、カミサンに根本美樹さん(いわき市出身)という人から案内状が届いた。いわきアリオス本館1階東口ウオールギャラリーで、写真展「female notes――今を生きぬく女性たち」が開かれている(3月29日まで)。ネパールやインドなどアジアの作品も展示しているので、どうぞ――とあった。

 根本さんは去年(2020年)秋、いわき駅前の「faro」で写真展「パレスチナのちいさないとなみ 働いている、生きている」を企画した。食事を兼ねて見に行ったついでに、パレスチナのフェアトレード商品(オリーブせっけんとハーブミックスの「ザアタル」)を買った。そのとき、カミサンがたまたま居合わせた根本さんと会って話をした。

今度の写真展は「ジェンダー」がテーマだという。ジェンダーとは、生物学的な性別ではなく、社会的・文化的につくられた性別のことを指す。身近な例としてよくいわれるのが、「料理は女がするもの」という決めつけ。「ジェンダー平等」のためには、夫である男もつくる、あるいは交代でつくる、といったことが当たり前にならないといけない。

案内状の一文。「世界では、女性というだけで自由を制限されたり、LGBTQ(性的マイノリティ)の当事者として生きづらさを抱えて暮らす人々がいます。日本でも、男女の格差を示すジェンダーギャップ指数は世界で121位、ジェンダー平等からは程遠い状況です」

写真展では「アジア・アフリカを中心に世界で女性たちが今も直面している困難や、これまで男性優位であった政治や社会システムを変えようと立ち上がった人々を取材したフォトジャーナリストの写真を展示」している。

案内状が届いてほどなく、写真展を見に行った=写真。翌3月8日は「国際女性デー」だった。国際女性デーを意識した写真展だったか。

シャプラニール=市民による海外協力の会に関係している。シャプラは主にバングラデシュやネパールで児童教育支援、防災支援などを行っている。家事使用人として働く少女たちのために読み書き・計算を学ぶ機会の提供、性暴力を防ぐための教育、あるいは技術指導などを手がけてきた。これも子どもの権利を守りながら、広くジェンダー平等につながる支援活動とみていいのではないか。

 ひるがえってわが家はどうか、といえば、恥ずかしながら「料理をつくる人」と「食べる人」の関係は変わっていない。ただ、漬物(夏の糠漬け・冬の白菜漬け)は私がつくる。月曜早朝にはごみネットを出す。風呂もわかす。若い世代からみたら、ジェンダー平等からは程遠いかもしれないが、老が老を支えるという意味では、家事の分担が前よりは進んだかもしれない。

 ジョン・レノンが自分と妻のヨウコを描いた絵に「トゥー・イズ・ワン(二つは一つ)」がある。若いころはそれが「愛の弁証法」だと思っていたが、老いた今はジェンダーを超えた「福祉的弁証法」に変わった。1人ではいろいろ抜ける、忘れる。それをどちらかがカバーする。カバーし合ってやっと「2人で1人」という感覚になってきた。

一つだけいえることがある。拙ブログはカミサンのひとこと、つまりは主婦=女性の視点をきっかけに組み立てることが多い。きょうのブログもそうだ。天下・国家より野菜の値段が大事――個別・具体の「主婦のおしゃべり」に耳を傾けると、男とはまた違った風景が見えてくる。

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