2021年6月21日月曜日

父の日のプレゼント

                     
 日曜日に夏井川渓谷の隠居で土いじりをした帰りは――。なにもなければ、平地の平窪から朝と同じ田んぼ道を戻る。マチに用事があるときは、そのまま国道399号を利用して住宅街となった平窪の集落を通り抜ける。

 平窪の住宅街にJAの「新鮮やさい館」がある。前は日曜日が定休日だった。それが、「開いてる!」。助手席の声に驚いたのはつい最近だ。

 JAのような大きな組織は、簡単には直売所の定休日を変えないだろう。そんな先入観がこちらにはある。が、現実に平窪の直売所は日曜日も営業するようになった。これもコロナ禍がもたらした変化か、などと勘繰るのは、元ブンヤの悪い癖だ。

日曜日もやっているなら買い物を、となって、きのう(6月20日)、隠居からの帰りに立ち寄った。なんだか前より品数が増えている。

キュウリと梅干しその他を買ったら、「父の日」のプレゼントをもらった=写真。レジの女性から直接景品を手渡されて初めて、この日が父の日であることを思い出した。

これまでの父の日プレゼントはアルコールか食べ物だった。食べ物の店だから、やはり口に入れるものだろう、クッキーかな――そう勝手に思い込む。

さあ、晩酌を始めるか。日曜日なので、いつもの魚屋さんから買ってきたカツオの刺し身が食卓にある。わきに新鮮やさい館の景品もある。

景品を見たカミサンが驚いたように言う。「あんた、それを食べるつもり?」「ん?」「食べものじゃないよ」「ん?」

そこで初めて景品のカバーに書かれている文字を読んだ。薬用入浴剤だった。「ええっ!」。「ゆずの香り」「炭酸力のバブ」「さら湯よりもっといたわるお湯質に」。そんな文字が印刷されている。「食べたら口から泡が出てきたりして」。きつい皮肉にも黙っているしかない。

トンチンカンはそれで終わらなかった。帰宅すると、すぐ茶の間のガラス戸を開けた。土曜日(6月19日)は雨。平年より7日、昨年(2020年)より8日遅く東北南部が梅雨入りをした。翌日曜日は、午前中こそ曇りがちだったものの、午後になると青空が戻った。気温も上がった。夕方、蚊がブンブン飛び回り始めた。

座いすとわきの本の後ろに蚊取り線香を置いた。いつもはそこにくずかごが置いてある。日曜日だけ違うところに移す。それを忘れていた。ティッシュペーパーを1枚丸めてくずかごに捨てたつもりでいたら、なにかが焦げたようなにおいがする。カミサンが「なに、このにおい?」といって確かめると、蚊取り線香の上でティッシュペーパーが焦げていた。

危ない、危ない。一人でいたらオオゴトになる。「二人で一人」だからこそ、トンチンカンもなんとか収まる。

そこへ宅配便が届いた。疑似孫の親からの父の日プレゼント、ほんものの酒のつまみだった。日曜日の日中は隠居へ行っていていない。晩の6時以降の時間指定だった。ありがたい、ありがたい。

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