新聞の書評でロブ・ダン/今西康子訳『家は生態系』(白揚社、2021年)という本が紹介されていた。目には見えないが、茶の間にも冷蔵庫にも「同居人」がいる。本のサブタイトルに「あなたは20万種の生き物と暮らしている」とあった。
さっそく市立図書館のホームページで所蔵の有無をチェックする。「貸出中」だった。いつかじっくりこの本を読んでみようと思う。
顕微鏡の世界ではなく、肉眼のレベルでもわかる同居人といえば、ハエ、ゴキブリ、クモなどだ。前は猫もいた。猫がいなくなると、ネズミがうろちょろするようになったが、今は姿を消した。
家から地域を含めた生活圏に拡大すれば、至る所に「隣人」がいる。庭に来る野鳥は翼を持った隣人。ほかに、虫や野良猫がいる。たまに姿を見せて大騒ぎになるのが、イノシシやキツネ、サルたちだ。最近撮った隣人あるいは「旅人」を紹介する。
散歩に入った石森山の遊歩道で――。せせらぎのそば、日が差すところに、翅が半分橙色の小さなトンボが止まっていた=写真上1。初めて見たので名前はわからない。家に戻って調べたら、ニホンカワトンボの雄らしかった。翅の透明なものも近くにいた。雌だろうか。
そのまま河口まで下り、磐城舞子橋を渡りかけたとき、橋の欄干のすきまからハクチョウが見えた。これも残留組? 前頭部が少し黒っぽい。留鳥あるいは漂鳥化したコブハクチョウだった(別の日、探しに行くと、もう姿はなかった)。ピンボケだったのでこの隣人の写真は使えない。
最後は、夏井川渓谷の隠居の庭で――。三春ネギの苗床の囲いに黒っぽいかたまりがあった。もしや、クモの子? クモの子は、生まれたばかりのころは巣の中でかたまって過ごす。「まどい(団居)」という。クモの巣に軽くさわったら、かたまりがぱっと散開した。「蜘蛛の子を散らす」がこれ。
撮影データを拡大すると、背中の紋様が見えた=写真上3。ジョロウグモの幼体らしいが、自信はない。
日曜日(6月6日)、1年半ぶりに規模を小さくして平・三町目ジャンボリーが再開された。旧知の若いカメラマンがいた。野鳥を介したつながりで、カッコウの飛来状況を聞いた。「富岡町で聞きました」という。いわき市内では遠野に飛来したという情報もある。
私の子どもが小学生のころ、つまりはもう35年以上も前のことだが、平中神谷でも、国道399号(旧6号)を越えた夏井川の対岸、平山崎あたりから「カッコー、カッコー」というのどかな歌声が聞こえてきた。堤防へ出て、声を頼りに双眼鏡で姿を探すと、たいていは岸辺の大木のてっぺんで鳴いているのが見えた。その後はパタッと鳴き声が途絶えた。
自分のブログによれば、震災のあった2011年6月4日朝、何年かぶりでカッコウの鳴き声を聞いた。それが、今のところ最後だ。いわきの平地はもうとっくの昔にカッコウからそっぽを向かれている?
1 件のコメント:
近所でイチヤクソウを見て、菌根類を調べていて、あなたのブログに
行き当たり、見ているととても面白いでした。
昨日のブログの「家は生態系」早速図書館で借りたいと思います。
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