「シャプラニール=市民による海外協力の会」は日本の国際NGOだ。主にバングラデシュとネパールで、①子どもの権利を守る活動②災害に強い地域をつくる活動③フェアトレードを通じて共生できる社会をつくる活動――を展開している。
1972年に創設された。創設メンバーのひとりがいわき出身の仲間だったので、カミサンは会員、私はマンスリ―サポーターとしてかかわっている。
東日本大震災と原発事故が起きた10年前、福島県浜通りへの物流・救援が滞るなか、シャプラニールが初めて国内支援に入り、いわきで5年間、被災者や原発避難者のための交流スペース「ぶらっと」を開設・運営した。
そのときに知り合ったシャプラ職員のU、Kさん(いずれも女性)が、今はバングラデシュとネパールの駐在員をしている。シャプラを介してブログが載れば必ず目を通す。先日は、ネパール駐在のKさんが同国のコロナ問題について報告していた=「多言語翻訳リベルのブログ――コロナ終息に向けて:各国レポート第3弾(8)ネパール」。それによると――。
隣国インドで感染者が急増し、ロックダウンを避けて出稼ぎ労働者が帰国したが、隔離などの対策が取られなかったため、国境付近で感染者が増えた。
さらに政情が不安定化し、政治集会や行進が全国各地で行われたり、3月下旬から文化的行事で多くの人が集まったりした。いずれも十分な感染防止対策が取られなかったことから、首都カトマンズを中心に、4月中旬以降、感染者が急増した。
最近の感染の多くはインドで確認された変異株によるものらしく、昨年(2020年)の感染時より若い人が重症化しているという。
4月中旬からは「行動規制」(ロックダウン)を課す郡が増えた。食料品店や生活必需品店は朝10時まで、それ以外の店の営業は禁止になっている。車両通行は原則禁止、バス・飛行機の公共交通機関も停止、食料品や薬を買いに行くときだけ外出可と、きつい縛りがかかっている。
国際線も停止中のため、エベレストに登頂していた人など多くの外国人観光客がネパール国内に取り残されているそうだ。Kさんは行動規制の開始と同時に在宅勤務に切り替えたという。
わが家から車ですぐのところにインド料理店がある。コックさんはネパール人だ。母国も、そして今住んでいる日本も予断を許さない状況が続いている。そのなかで、店のママさんを通じてカミサンに「1円玉貯金」=写真上=を託した。
カミサンがプラスティックの容器=写真下=に入っていた硬貨を数えると、5円玉を含めて1130円あった。銀行の窓口での両替は難しい、しかし預金なら引き受けてもらえるだろう。というわけで、カミサンがシャプラ関係にだけ使っている通帳に入金した。
この1130円はいずれシャプラに寄付される。それがめぐりめぐって、母国ネパールを含む南アジアでの、シャプラの活動資金として使われる。
ささやかではあっても、一人ひとりの善意が大きな力を生む。金額の多寡でもない。その積み重ねと、なにかを、だれかを思う気持ち――これが大事なのだと、1円玉貯金を見てまた学ぶ。
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