今年(2021年)も去年と同じうねに溝をつくって植える。しかし、うねには今、ネギ坊主がかなり残っている。それを引っこ抜いて溝をつくるか、まばらに空いているうねを利用しながら、ネギ坊主から黒い種がのぞくのを待つか。しばらく悩んで出した結論は、体力と相談して採種と定植を両立させること、つまりは「少しずつやる」ことだった。
三春ネギの「自産自消」の流れはこんな感じだ。初夏に苗を定植する→追肥と土寄せを繰り返す→晩秋から冬に収穫する。曲がりネギにするためには、月遅れ盆の前後に、溝を斜めに切って植えなおす。これと併行して、初夏、前年植えたネギから種を採り、秋にまく。採種~播種~定植~収穫は2年がかりだ。
おととし秋、種をまいたら腐敗していたらしく発芽しなかった。急きょ、田村市の実家に頼んでネギ苗を調達した。
発芽ゼロに懲りて、種をいっぱい採らなくては――去年はそんな強迫観念に支配された。採種用に残したネギが越冬し、春になると花茎をのばしてネギ坊主をつくった。ネギ坊主がいっぱいあるのはいいが、半分は未熟果だ。
このネギ坊主から採れた種は乾燥剤とともに小瓶に入れて、秋の種まき時期まで冷蔵庫で保管する。苗をもらって栽培を始めたばかりのころ、採った種を紙袋に入れて屋内に置いていたら発芽しなかった。ある年、種の本を読んでいて、ネギは冷蔵保管をすることを知った。それをやったら発芽した。
さて、ネギ苗が立派になりすぎたせいもあって、風が吹くと倒れる。少し間隔を開けるようにして種をまいたが、やはり密になった。
ネギの苗床は疊1枚くらいだ。根は浅い。密集状態なので、倒伏したら立て直すしかない。最初にそれをやりながらあれこれ考えて出した結論が、「少しずつやる」ことだった。
空いたうねに太い苗を定植する=写真上。間引き苗もそれなりに育ったので、「葉ネギ」として食べる=写真下。
溝をつくる・苗床を掘り起こす・苗を選別して定植する、といった作業を一気にやれば重労働だが、「少しずつやる」なら苦にならない。そのうえ、葉ネギを収穫する喜びもある。
葉ネギは刻んで味噌汁に放す。卵焼きに加える。まだ若いので風味はほんのわずかだが、やわらかい。近所の知り合いにも「お福分け」ができる。
最初に植えた苗は35本。翌週は30本。平日にも出かけて、ネギ坊主の様子を見ながら植えれば、結果的に400本ほどは定植できそうだ。
それからが、実は本番。ネキリムシとの闘いが始まる。去年は300本ほど植えたのに、ちゃんと育ったのは半分ほどだった。そのために、というわけではないが、苗床にもネギを残しておく。いい具合にすき間ができたら土を盛っていく。これもいつかは食材になる。
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