台風8号は異例のコースをたどった。南東はるか沖の太平洋で生まれ、北西に日本列島をうかがい、銚子沖付近で折れるように南下したと思ったらすぐ北上をはじめ、水曜日(7月28日)午前6時前、宮城県に上陸して岩手・秋田県を通過し、午後3時ごろ、日本海上で温帯低気圧に変わった。
東北地方太平洋岸(宮城県)への上陸は台風の統計を取り始めた1951年以降初めてだという。
当初は関東~東北の間に上陸するのでは、ということで、いわき直撃も懸念された。それで、月曜日未明には夏井川渓谷の隠居へ出かけてキュウリの支柱の補強をした。火曜日は、朝から市役所で会合が予定されていたが、前日夕方に延期の連絡が入った。水曜日は午前中、コロナワクチンの1回目の接種を予約している、どうなるか――台風に振り回される日々が続いた。
いわきに最接近した火曜日の天気はこんな具合だった。起きると風が吹き、時折、小雨が舞った。日中は雨雲の切れ間に入ったのか、カンカン照りに。午後遅くから雲量が増し、雨が降り出したと思ったら、またやんで夕方を迎える。夜は雨・風とも強くなったが、翌日早朝、起きると風はやんで青空が広がっていた。
土砂降りのなかでのワクチン接種を覚悟したが、水曜日はまた、いつもの酷暑の朝になった。台風一過というよりは、東側の常磐沖を通過したあとに夜が明けたのだった。
ワクチンは近所のかかりつけの医院で接種するため、ネットで1回目の予約をした。薬をもらいに行ったとき、ドクターからは夏風邪を引かないこと、それだけを注意するようにいわれた。発熱したら接種が難しいのだろう。
連日の酷暑なのに、風は北から吹いてくる。わが家は夏場、戸も窓も開け放っている。Tシャツ一枚で昼寝をすると、風邪を引きかねない。特に、腹と背中を冷やさないように注意した。
指定の時間前に着くと接種が始まっていて、すぐ呼ばれた。ドクターの問診のあと、看護師さんに接種してもらう。血液サラサラの薬を飲んでいることもあって、接種跡を2分間押さえてから半そでを下げた。背もたれイスに座って待つこと15分、体調に変化はない。ドクターからはくれぐれも散歩などしないで静かにしているように、と念を押される。
あとは窓口で2回目の接種に関する資料を受け取り、説明を聞いて帰宅するとすぐ、予約の解説資料=写真=を取り出し、同じかかりつけの医院を選んで2回目の予約をした。1回目から3週間ちょっと、8月第4週に空きがあったので、ポチッと押す。とにもかくにも2回目を接種する日が決まってホッとする。
今のところ、左腕を動かすと鈍痛を感じることがあるくらいで、強い副反応はない。いちおう晩酌は控えた。
台風は偏東風に吹かれて西に流されながら北上し、中緯度付近で高気圧と偏西風の影響を受けて日本列島の方へと向かうのが一般的だが、今回はダイレクトに東北地方へやって来た。台風の“法則”が崩れてきているのだろうか。
おととし(2019年)の台風19号は東日本に上陸し、関東~福島県を縦断していわき地方にも大きな被害をもたらした。その記憶がいやでもよみがえる。
コロナウイルスが猛威を振るい、酷暑による熱中症が心配される中、今までにない台風の動きに怖さを感じた。台風の進路に住む人間にとっては、オリンピックどころではなかったろう。
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