今年(2021年)のネギの栽培はちょっと厳しい。苗を定植する段階で一部に「さび病」が発生した。日曜日に夏井川渓谷の隠居へ行くと、まっさきにネギの葉をチェックする。オレンジ色の点々が出ていたら、葉をちぎってごみ袋に入れる。
その1週間前までは手に持って集め、庭にあるドラム缶釜で焼却した。それでは病原菌(糸状菌)をうねにばらまきかねない。すると、また菌が別の葉にとりついて被害を拡大しかねない――そんな心配がふくらんだ。で、ちぎったらすぐごみ袋に入れることにした。
ここまでさび病が出たのは初めてだ。葉をちぎった分だけ光合成は弱まる。たぶん、まともな生育は期待できない。
ならば、「食べる」よりは「種を残す」に気持ちを切り替える。渓谷の住民が栽培している昔野菜の三春ネギを分けてもらい、種を採るところから始めた家庭菜園だ。種を切らしたら、それで終わり、ということにはしたくない。
ネギ坊主から黒い種がのぞくようになった6月中旬、断崖に立つ気持ちでそれをカットし、自宅の軒下で乾燥させた。
10日ほどたってから、ネギ坊主の種の殻を軽くもみ、種と殻・ごみを選り分けた。さらに、中身のない種や細かいごみを除去した。
若いとき、篤農家のSさん(平)からごみの除去法を学んだ。モノの本には“風選(ふうせん)”をするように書いてあるが、これが難しい。口でフーフーやると、殻やごみだけでなく種まで飛んでしまう。Sさんが実践している“水選(すいせん)”にしてからは、種選りが簡単になった。
ボウルに金ザルを重ね、殻やごみ、土と一緒にネギの種をザルにあける。そこへ水をたっぷり張ると土はボウルの底に沈み、種はザルの底に残る。殻や中身のない種は軽いので浮く。浮いた種は発芽しないから、容赦なく捨てる。
あとは新聞紙に種を広げ、一晩軒下に置く。翌朝にはサラサラに乾いている=写真上=ので、これを乾燥剤とともに小瓶に入れて、秋の種まき時期(三春ネギは秋まき=10月10日が目安)まで冷蔵庫で保管すればいい。
乾燥剤は菓子袋に入っていたものを利用する。たまたま前後して二つが手に入った=写真下。一つは「サンソカット」(脱酸素剤)、もう一つは「シリカゲル乾燥剤」。違いは? 脱酸素剤は水分を多く含んだ食品に使用して、「しっとり感」を維持する。乾燥剤は水分を含むと品質が落ちる商品に使用する。小瓶に入れるのはやはり乾燥剤だろう。
ネットには、密閉できる袋に入れて、ともあった。今までは単に小瓶に入れただけだった。が、今回は小さな袋に詰めてから小瓶に入れることにした。一泊旅行などのときに、薬を入れる小さな袋があった。先端が密閉できる。ちょうどいい具合に種も、乾燥剤も入った。
小瓶に採種年月日を書く。さらに、手帳の10月10日欄に「三春ネギの種(冷蔵庫の上から2段目左奥)」と書き込む。これで秋の種まき時期に「どこに置いたっけか」とならずにすむ。
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