きのう(7月11日)は一日、おかしな天気だった。ニュースでよく聞く言葉でいえば、「大気が不安定な状態」が続いた。夜7時のNHKニュースで東京の天気急変を知り、いわき地方は不安定な大気のはじっこ、それで東京ほど極端ではないが目まぐるしく天気が変わったのだろう――そう納得した。
いわき市の前日の予報は「雨」。雨では、夏井川渓谷の隠居へは行かない。在宅ワークをやる、と決めた。ところが、夜になると予報が「曇天」に変わる。やっぱり隠居へ出かけることにした。朝、起きると雨模様(曇天)だ。土いじりをするには、逆に暑くなくていい。
このところ隠居に着くとすぐ、ネギの葉が「さび病」にかかっていないかどうかをチェックする。きのうも真っ先にチェックしようとしたら……。ネギとキュウリのうねの周りが草で覆われていた。たった1週間でもこんなに草丈は伸びるのだ。
これでは風通しが悪い。さび病チェックの前にこっちをやっつけねば。フィールドカートに座って、「ゆっくり、ゆっくり」と言い聞かせながら草を引く。しばらくすると、雲の切れ間から日が差してきた。熱中症にはなりたくない。ときどき水を飲んでいるうちに、今度は雨がぱらつき始める。
「まるでアイルランドだな」。丸山薫の詩が思い浮かぶ。「汽車に乗って/あいるらんどのやうな田舎へ行かう/日が照りながら雨のふる/あいるらんどのやうな田舎へ行かう」
しかし、ここはいわきの渓谷。雨にぬれてまで土いじりをする気にはなれない。いったん隠居で休み、雨が小やみになってところで土いじりを再開し、頭で立てていた予定の作業を、昼前までに全部終えた。
これは渓谷へ出かけたからこそのごほうびだ。「おおっ」と思うことが二つあった。一つはヤマユリ、もう一つは霧の山水画。
ヤマユリは渓谷の県道沿いに点々と生えている。6月下旬あたりからつぼみが目立つようになった。つぼみが白くなると、すぐ開花する。1週間前がそうだった。それで、きのうは後続車があれば道を譲るようにして、車のスピードを落として渓谷を進んだ。あちこちでヤマユリが咲き出していた=写真上1。
ヤマユリは、渓谷では小・中学校が夏休みに入るころに咲き出したものだが、近年は7月の声を聞くと開花するものも出てきた。2018年は7月8日に開花を確認した。今年も早い開花になった。
午後、渓谷を離れると小川の平地で雨になった。街へ着いたら、雨は弱まったが、雷がとどろいた。夕方になると、腹に響くような雷鳴が降りてきた。そのあと晩酌を始めたのでわからなかったが、日の入りには晴れて見事な虹がかかったらしい。
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