日曜日(8月8日)の朝、夏井川渓谷の隠居へ出かけてキュウリを摘んだらやることがない。降ったりやんだりの雨の中、オリンピック男子マラソンのラジオ放送を聞くともなく聞いていた。
40キロ過ぎ、日本の大迫傑(すぐる)がわき腹を押さえたというアナウンサーの声に、札幌といえども高温多湿の過酷なレースを想像して、こちらまで重苦しい気分になった。
ケニアのキプチョゲが優勝した。五輪連覇と聞いて、哲人アベベを思い出した。日本勢は大迫が6位入賞、中村匠吾が62位、服部勇馬が73位だった。服部はゴール後、車いすで運ばれ、「深部体温が40度以上に上昇した熱中症の重い症状だった」と書面でコメントを出したという。
深部体温? 体表面、つまり皮膚体温を体温と思っている人間は、内臓=深部体温には思いが至らない。それよりなにより「深部体温」という言葉をよく知らなかった。
それから間もないきのう(8月10日)、朝ドラの「おかえりモネ」が深部体温を取り上げていた。
車いすの女子マラソン選手が世界的な大会の選考会で、暑さに負けて代表を逃す。そこで、気象キャスター・朝岡らのチームがこの選手のサポートをすることになった。知り合いの医師も加わって選手の弱点を探る。暑さに弱い体質、つまり深部体温が上昇して力が落ちることがわかった。
なんということだろう。現実の男子マラソン・服部勇馬の症状と、ドラマの車いす女子マラソン選手の弱点が重なった。
前の「台風東北初上陸」のときと同じように、現実とドラマが同時進行するような展開ではないか。今回も偶然ながら、深部体温を解説する動画を見ているような感覚になった。
わが家の熱中症対策としては、窓と戸の全開、扇風機のフル回転のほかに、氷を入れた水を飲む、たまたま後輩が届けてくれた自産のスイカ=写真=を食べる、ご飯に塩じゃけと氷を載せて水を注いだ「水飯」をかきこむ――といったことだが、実際には皮膚ではなく、内臓をイメージして体を冷やすようにしないといけないのだ。
ドラマでは、医師が食べたアイスクリームが車いす女子マラソン選手の弱点克服のヒントになる。急に冷たいものを食べるとこめかみのあたりがキーンと痛くなる。「アイスクリーム頭痛」というそうだ。ほんとうかどうかネットで検索したら、医学的な正式名称であることがわかった(ウィキペディア)。
サポートチームは、細かく砕いた氷を飲み続けることで、女子選手の深部体温の上昇を抑えることを思いつく。選手の注文に応じてさらに氷を細かくする、といったことが行われる。その後の展開は、ドラマを見てのお楽しみ、だ。
きのうはじっとしていても深部体温の上昇を実感した。朝、小名浜の最高気温は「36度」という予想だった。実際には正午過ぎに最高気温37.3度を記録した。平成6(1994)年8月に37.7度を記録している。観測史上2番目の暑さだったと、いわき民報が報じていた。
ハマの小名浜で体温を超える気温は、天地がひっくり返るくらいの驚きだ。北西の風が阿武隈の山を越えて熱風になったようだ。
図書館へ避暑に行きたいと思ってもコロナで臨時休館中だから、ここはやはり、水分と塩分をしっかり補給して深部体温が上がらないようにするしかない。
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