この夏、酷暑が続いたときには「きゅうりもみ」=写真=をよく食べた。それなりに水分補給にはなったように思う。
キュウリ苗を定植したのは5月下旬。それから3カ月がたって、「お役目ご苦労さん」の日が近づいている。
今年(2021年)は種苗店からポット苗3本を買った。いつもだと2本だから、1本分多く収穫できる――そうもくろんでいたところへ、さらに在来作物の「小白井きゅうり」が加わった。
夏井川渓谷の隠居に菜園がある。夏はそこでキュウリを育てる。市販キュウリを定植しようと隠居へ出かけたら、玄関前に「小白井きゅうり」のポット苗5本が置いてあった。地元のKさんからのお福分けだった。
隠居では市販キュウリ2本・小白井きゅうり4本を、残り各1本は自宅の台所軒下に植えた。
毎日、軒下のキュウリを観察する。生長は市販キュウリの方が早い。葉は小白井きゅうりの方が大きい。花もそう。この花の大きさが、やがてずんぐりむっくりの実になる――などと思いながら、日曜日に出かける隠居のキュウリの生育状況を想像する。6、7月はそうして過ごした。
今年は、梅雨の期間が短かった。真夏になると酷暑が続いた。月遅れ盆が近づくと一転、梅雨が復活したような日々に変わった。酷暑続きのときは、隠居へ行くたびにキュウリに水をやった。軒下のキュウリにはもちろん、毎朝、潅水した。
初収穫は6月下旬。軒下の市販キュウリが最初に実を結んだ。7月に入ると、次々に花が咲き、実が生(な)るようになった。
実が生りだしたら、週に2回は隠居へ行く――と決めていたのだが……。暑くてこれを怠った。結局、日曜日だけの週1回になった。
すると、市販キュウリは生長しすぎて最大40センチ、そこまでいかなくても30センチ前後の“大物”が続出した。
糠漬けは甕(かめ)の直径からして20センチ未満の未熟果が最適だ。これを超えたらきゅうりもみにするしかない。
冒頭に、酷暑続きできゅうりもみをよく食べたと書いたが、実際はこうだった。肥大しすぎてきゅうりもみにするしかない、それがたまたま酷暑の日と重なった。もともとキュウリは9割以上が水分でできている。暑い夏の水分補給にはぴったりの野菜だ。
市販だけでなく、小白井もきゅうりもみにした。糠漬けはどうも合わない。産地の川前町小白井では「どぶ漬け」にする。どぶ漬け、つまりは塩水漬け。いわきの昔野菜図譜によれば、塩水を一度沸騰させ、冷ましてから漬け汁にする。
きゅうりもみや糠漬けにしても、余るときがある。お福分けも届く。その場合は、ホーローのキッチンポットに塩をいっぱい振ってキュウリを井形に組んで重しをのせる。やがて、キュウリからしみだした水分が空気を遮断する。その水をあとで煮沸していたが、最初からどぶ漬けにすればよかったか。これが今年の反省点でもある。
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