2021年8月7日土曜日

おや、オナガだ

                     
 おととい(8月5日)は義弟の定期診察日だった。いつもより早い時間に診てもらえるというので、8時前に家を出た。病院へ送り届けると、カミサンから電話があって迎えに行くまで、留守番をする。

 街からの帰りは夏井川の堤防を利用する。幹線道路(国道399号=旧国道6号)では、対向車両や前後の車両に注意しないといけない。堤防ではその心配がない。スロー運転で、絶えず視野を広く、近くとれる。

 街も自然も時間帯によって表情を変える、朝の8時台も前半と後半とでは異なる――当たり前のことを、また教えられた。

 堤防へ出るために国道から市道へ下りる。と、いつもは出合わない自転車の外国人が目の前を横切って行く。日本の少年も自転車で通り過ぎて行った。そうか、8時台には通勤のマイカーだけでなく、自転車が行き来するのだ。学校が夏休み中の今、バイトかどうかはわからないが、この時間に自転車で移動する若者がいる。

 国道からの左折路と交差する市道にはカーブミラーが設けられている。いつもだと9時前後の往復なので、通勤車両の往来はひと段落ついている。カーブミラーには道路だけが映っている。同じ感覚で市道に出ると、不意に現れた自転車とぶつかっていたかもしれない。「来ないだろう」ではなく、「来るかもしれない」ことをあらためて胸に刻んだ。

 堤防に出る。左岸の広い河川敷では土砂除去作業が進む。始業時間前なので重機は動いていない。その手前、すでに伐木がすんだ右岸の河川敷が目に入るころ、カラスが茶色い鳥を追いかけていた。カラスはよくトビを追いかける。トビよりははるかに小さい。チョウゲンボウにでもちょっかいを出したか。

車を止めてその様子を見ていたら、近くで「ギュイー、ギュイー」と濁った声で鳴く鳥がいる。おや、オナガだ! この河川敷でオナガに出合うのは何年ぶりだろう。あとで自分のブログに当たったら、10年前(2011年2月17日)に目撃している。そのブログを抜粋する

――オナガ(尾長)はカラスの仲間だ。昔は、いわきにはいなかった。関東から移動してきた。私が初めて目撃したのは1990年代だったように記憶する。黒い頭、淡い灰褐色の背中、青灰色の翼と尾。この尾が長いので、オナガ。色の組み合わせがいい。しゃれている。

いつも同じところにいる、という鳥ではないようだ。いわき駅裏の物見ケ岡、夏井川渓谷、新舞子の海岸林、夏井川下流の河畔林と、さまざまな場所で見かけるのだが、それはたとえば3カ月ぶり、半年ぶり、そんなサイクルでのこと。一度現れると、しばらくそこでは見られない。

散歩コースの夏井川では、このごろ短い間隔で現れる。現れれば写真をと、狙ってはいるものの、夕方で光が足りずにぶれたり、ぼけたりして満足のいく写真が撮れなかった。そのオナガをやっと撮った。撮ったといっても相当離れているから、オナガのいる風景写真でしかない――

今度も写真には収めたが、普通のカメラだったので、拡大できるのはここまで=写真。ついでにそばを飛ぶツバメも連写した。が、けし粒を拡大したようなもので、人にお見せできるシロモノではない。ま、これだって朝、少し早く動きだしたからこそ得られた、自然からの贈り物だ。

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