2021年10月11日月曜日

仲間のハクチョウ飛来

        
 まずは7カ月ぶりに再会したエレンと仲間の写真から=右から飛来したコハクチョウの若鳥、エレン、左端のカモはマガモの雌らしい。きのう(10月10日)朝、小川町三島の夏井川で撮影した。

10月に入ると、コハクチョウ飛来のカウントダウンが始まった。マチへ行けば、帰りには必ず夏井川の堤防を通る。ハクチョウが現れたら記録し、撮影する楽しみが加わった。

 そう、季節によって楽しみは変わる。春はウグイスのさえずり、ツバメの飛来、これを確かめる。川の流れる風景にはいつも生が充満している。

 ハクチョウは、いわきの夏井川では3カ所で越冬する。上流から三島(小川)、平窪(平)、塩~中神谷(同)。今年(2021年)は三島で1羽がけがをして残留した。「白鳥おばさん」のSさんが「エレン」と名付けて毎日、えさをやっている。

 私がブログでSさんとエレンの話を書き、それがいわき民報の「夕刊発磐城蘭土紀行」で活字になった。すると、巡りめぐってSさんの元に新聞が届き、日曜日に三島の現場で再会したときには、Sさんから名前を呼ばれて驚いた。

 金曜日(10月8日)、三島にハクチョウが現れたと、Sさんから電話が入った。夏井川の下流域では重機とダンプカーが河川敷の土砂除去を続けている。三島地区でも重機とダンプカーが動き回っている。そうしたなかでも、エレンが仲間と再会する日がやってきた。

 福島県への今年のハクチョウ飛来情報は、「ほんとかな」と思わせるものから始まった。9月上旬、南相馬市小高区の前河浦(小高川河口)にオオハクチョウが2羽飛来した。これが第一報だった。ずいぶん早い、早すぎる。案の定、あとで野鳥の会が訂正した。

エレン同様、夏も残留していた2羽だったらしい。9月下旬、これとは別の3羽を確認した、この3羽が初飛来ということだった。

 その後、10月に入って福島市の阿武隈川に、続いて猪苗代湖にハクチョウが飛来した。いよいよいわきにも、という段になって、タイミングよくSさんから情報が届いたのだった。

 おととい(10月9日)夕方、用があったついでに夏井川の堤防へ出て、新川の合流部まで行く。そこが越冬地だ。ハクチョウの姿はなかった。

 翌日曜日、夏井川渓谷の隠居へ行くのに少し早く家を出た。三島に着くと、川の中央に1羽、さらに道路に近いところに1羽。そのあと、2羽が冒頭のように接近した。Sさんも朝、2羽の出会いを確かめたにちがいない。

 午後になると、長男から電話がかかってきた。「神谷にハクチョウがいる、小川のハクチョウ?」「いや、初飛来のハクチョウ。小川のハクチョウはずっとこちらにいる」

隠居からの帰り、三島のハクチョウを見ると、エレンが上流にポツンといるだけだった。朝、三島に現れたハクチョウが神谷(つまりは塩)に移動したか。で、平へ出ると、右岸・山崎側から川を見たが、ハクチョウの姿はなかった。おそらく真ん中の越冬地・平窪に戻ったのだ。

初飛来のハクチョウはしばらく落ち着かない。それでも、エレンの孤独はひとまず終わる。

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