時候のあいさつ。「夏から急に冬ですもんね」。日曜日(10月17日)にいつもの魚屋さんへカツオの刺し身を買いに行くと、店主がこぼした。確かに、寒暖の差が大きすぎる。
11日の月曜日は、いわき市山田町で29.6度と真夏日に近かった。翌12日からは気温が急降下し、木・金曜日を除いて最高気温が20度を下回った。
月曜日は半袖、翌日からは長袖、さらに今は茶の間で石油ストーブをたき、毛糸のチョッキを1枚重ね着している。
朝起きると、糠床をかき回す。12日は表面に白く産膜酵母が繁殖していた。この酵母は耐塩・好気性だ。空気に触れている時間が長いと、そして気温が高いと、活発に増殖する。糠床の塩分がもともと低いところに、暑い日が続いた。酵母にとっては好条件が重なった。
直接的な害はないので、そのまま混ぜ込んだが、味はだんだん古漬けのようなものになっていくという。ま、それも糠床を冬眠させるまでの間だ。
夏のような日から冬のような日に替わると、産膜酵母は姿を消した。糠床そのものもひんやりしてきた。
わが家では、私が漬物をつくる。夏場は糠漬け、冬場は白菜漬けにする。11月の声を聞くと糠床を眠らせ、白菜漬けの準備をする。5月の大型連休が終わると糠漬けを再開する。
今年(2021年)は暖冬だった。立春を迎えたばかりのころ、白菜漬けにも産膜酵母が張るようになった。これでは糠床を早く冬眠から覚まさないと。ほぼ1カ月早い4月10日ごろ、糠漬けを再開した。夏の糠漬けも、冬の白菜漬けも年々、温暖化の影響を受けるようになった。
一方で、夏から冬のような寒さに替わって活動をやめたものがいる。蚊だ。30年余に及ぶ“定点観測”の結果として、わが家では毎年、5月20日前後に蚊が現れて人間を刺し始める。姿を消すのは10月20日過ぎ。ところが、3年前の2018年は、11月2日にチクリとやられた。11月に入って初めて蚊に刺された。
蚊にも活動に適した気温がある。猛暑だとげんなりして活動が鈍る。蚊取り線香の売り上げも減る。この秋は夏のような日が続いたこともあって、毎日、蚊取り線香をたいた。
真夏のような月曜日が過ぎると、ブンブンいう蚊の羽音が消えた。ストーブなし、室温20~25度あたりが活動には適しているようだ。それが静かになった。とはいえ、また暖気が戻れば、羽音が聞かれることだろう。
気温は変動が激しいが、「海水温はそうすぐには下がりません」。冒頭の魚屋さんの話だ。温暖化で浜通りの沿岸域でもイセエビやトラフグが獲れるようになった。半面、サンマやサケ、タラの不漁が続く。ハマの冷凍倉庫はどうなっているだろう。
わが生活圏の夏井川にやっとサケのやな場ができた=写真。いつもより半月は遅い。河川敷の土砂除去工事が行われている。やな場付近では左岸の工事が終了した。それで遅れたのか、あるいはサケの南下が遅れ気味で、それに合わせて設営時期をずらしたのか。そこはわからない。が、「潮目の海」といういわきの売りは、これからどうなる?
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