2021年10月27日水曜日

ときどき交通事故が

        
 先日の夕方、家の前の市道で警官が交通整理をしていた。近くにバスが止まっている=写真。片側交互通行をする車の列が続いた。

翌日の新聞に小さい記事が載った。いわき駅行きの路線バスに駐車場から市道へ出ようとした80代男性の乗用車が衝突した、事故の原因は調査中、とあった。

 新聞記者になりたてのころ、交通事故の現場へ何度も足を運んだ。その経験と、近年、わが家の周辺でシルバーの事故が増えていることから、おおよその察しはついた。

事故処理中の警官がバス前部、右の角をじっくり見ていた。おそらくそこに乗用車が接触したのだろう。

わが家の隣にコインランドリーがある。斜め向かいには郵便局がある。車の出入りが多い。ランドリーから出ようとした車が反対側の歩道に突っ込んだり、郵便局から出ようとした車がこちら側の歩道を暴走したり、ということがこれまでにもあった。ドライバーはいずれもシルバー世代だった。

歩道を暴走した事故の様子がブログに残っていた。東日本大震災が発生した年の秋の出来事だった。自分への戒めとして抜粋・再掲する。

――午後1時ちょっと前、家で休んでいると2軒ほど先の方から聞き慣れない音が飛び込んできた。

2階の窓を開けて道路を見たら、120メートルほど先に人だかりができていた。「救急車を呼べ」という声が聞こえる。

高齢者マークをつけた青い車が電柱にぶつかって止まっていた。運転していたお年寄りが白い顔をして、車の中でじっとしている。

車は、前部がベッコリへこんでいた。左前輪にはタイヤがない。タイヤははずれて道路の反対側に転がっていた。右前輪はパンクしている。両サイド前部にこすれたあとがある。目撃した人の話と、縁石・歩道の痕跡を総合すると、こういうことだったらしい。

わが家の斜め前の郵便局あたりで車は対向車線にはみ出し、歩道の縁石(ちょうど斜めに切られてある)に乗り上げたあと、異音を発して縁石をこすり、歩道にすっぽりはまってしまった。

車は歩道を暴走し、左側の街路灯をこすり、タイヤのはずれた左前輪が縁石に乗り上げると同時に右側面で民家の石塀をこすり、駐車場角の電柱に激突して止まった。歩道は通学路でもある。登下校時間でなくてよかった――

それから何年かたって、朝ドラが終わったころ、突然、「ププー、ガシャーン」という異音が飛び込んできた。正面衝突事故だった。はずみで車は尻を振られ、縁石をまたいで180度近く向きを変えて止まった。1台は隣家のブロック塀にも接触して塀の角が壊れ、鉄製の門扉がずれた。

翌日の新聞によると、1人が胸などを強く打って意識不明の重体、1人が首に軽いけがをした。こちらは若い人だった。

震災後、わが生活圏では双葉郡から原発避難をした人々、原発の事故収束~廃炉作業に従事する人々で交通量が増えた。

わが家から車を出すのに左を見、右を見、また左を見ても車が来る、といったことが当たり前になった。交通事情の悪化がシルバーの心理にも影響しているのではないか、先日の事故からそんなことを思った。

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