お寺で個展を開くという案内が届いた。「峰丘と花展」(10月10~20日)。会場はいわき市好間町北好間字上野の曹洞宗龍雲寺だ。
このところ、寺を会場にしたイベントがニュースになる。寺はもともと地域のよりどころであり、学びの場(寺子屋)だった。今風にいえば、カルチャーセンター。同寺でも、定例的にヨガ教室や写経、座禅会などが開かれている。
東日本大震災の前、2010年秋にも同寺を訪れた。平近辺の三つの寺で「いわきアート集団美術展」が開かれた。その会場の一つだった。
それから11年。日曜日(10月17日)に寺を訪ねた。個展の会場は本堂の奥の「禅ホール」。新しい建物で、「峰丘と花展」が「こけらおとし」になった。
寺がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信している情報によれば、同ホールはイベントや会合の場として広く開放される。
途中、客殿らしいところでシルバーのカップルがコーヒーを飲んでいた。16・17日限定で「寺カフェ『ドラゴン』」がオープンした。
ドラゴンはむろん、寺の名前からきている。「龍」ではなく、「ドラゴン」としたところが、若い世代には親しみやすいのだろう。
日本のアニメや漫画が世界の若者から支持されている。2年前、わが家の近くにある故義伯父の家にホームステイをしたスペインの若い歴史学者も、子どものころ、「ドラゴンボール」や「キャプテン翼」「北斗の拳」などに親しんだ。「『ドラゴンボール』が一番好きだ」といっていた。
ドラゴンとくれば、私もすぐ「ドラゴンボール」を連想する。峰もドラゴンの絵を描く(峰とは40年以上のつきあいなので、尊敬の念を込めて「さん」も「君」も省略する)。
「峰丘と花展」では、峰が花の絵50点を、小原流いわき支部の人たちが生け花30点を展示した。
峰は若いころ、メキシコで絵の修業をした。峰の花の絵といえば、朱色に燃え上がる向こうの花が思い浮かぶ。今回、初めて花の写真を見た。木に咲く花だった。ネットで検索すると、カエンボクという花に似る。
それとは別に、たなびく雲の中からドラゴンが現れた絵が壁にはまっている=写真。このドラゴンはカラフルで、どこかユーモラスだ。龍と雲、まさに寺の名前を象徴する作品だ。われわれが向こうへ去って、新しい人間が現れても、ドラゴンはずっとそこにある。峰の説明を聞きながら、そういう思いになった。
同寺には吉野せいの墓もある。3年前(2018年)の秋の彼岸に寺を巡り、吉野家の墓にも線香を手向けた。
墓地の先にある高台は、夫とせいが開墾生活に苦闘した菊竹山。北西に500メートルほど離れたところに吉野家がある。今回は雨なので、参道から手を合わせるだけにした。
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