3月11日がきた。朝起きると、ハマの方に向かって黙祷した。日本海の先、ユーラシア大陸のウクライナへも手を合わせた。フクシマから丸11年。原発の危機が回避できるといいのだが――。
3月第2週は小さな命と向き合った。8日、在宅ワークにあきて庭に出る。ジンチョウゲの花が咲き始めた。香りは? 顔を近づけないとわからない。
早い年は、2月下旬に濃紅色のつぼみがはじけ、次々と白い十字の小花を咲かせる。今年(2022年)はどうやら例年並みのようだ。
カミサンが落ち葉をごみ袋に入れていた。落ち葉は大地のふとん。ふとんの下で植物は冬をやり過ごし、春の芽生えを準備する。
極寒期の1月末から1カ月半。2月が過ぎ、3月に入ると、露地にも緑の芽が目立つようになる。
植物は芽生えると生長がはやい。スイセンはいくつかつぼみを持った。軒下には、小さい紫色の花が……。今年初めて見るスミレだ=写真上1。
葉は丸い。花が似て葉が細長いものがある。そのへんを手がかりに名前を調べる。タチツボスミレ? しかし、やはり素人、最後は「(タチツボスミレ)らしい」で終わる。
ホトケノザ? ヒメオドリコソウ? 写真を撮ってパソコンにデータを取り込み、ネットの花図鑑と比較して絞り込んだ結果、ホトケノザとわかった。
葉の形が丸いのと、茎にえり巻き状に付いていることが決め手になった。ヒメオドリコソウは葉がスペード形で丸くはない。
ホトケノザのそばに小さく白い花が咲いていた。翌9日午後に見ると花は散っていた。葉は、地べたに張りつくようにして放射状に延びている。冬越しのためのロゼットだ。これも写真に撮ってネットの図鑑と比較する。
ロゼットで冬を越す植物にナズナがある。ナズナ? しかし、葉の形がナズナには見えない。タネツケバナか。
タネツケバナは田んぼのあぜ道や湿地に多い。民家の庭先のような乾いたところにも生えるものなのか。
頭の中で堂々巡りが続く。夏井川渓谷の隠居で周囲を散歩したとき、小流れからクレソンやセリを、近くからタネツケバナを摘んで食べたことがある。
タネツケバナはピリ辛だ。ちょっと摘んで洗って食べたら、ピリ辛だった。ということで、タネツケバナらしいとわかる。
庭は乾いているようで湿気がこもっているのだろう。玄関の庇は壊れていて雨漏りがする。それでタネツケバナもなんとか根を張っているようだ。
ま、これだってピリ辛だからタネツケバナとしただけで、100パーセント正しい、という自信はない。素人の調べではスミレも、ホトケノザも、「らしい」でとどめておくのが一番のようだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿