2022年3月1日火曜日

仮設信号機撤去

                      
  夏井川渓谷では、川に沿って県道小野四倉線とJR磐越東線が並行し、ときに交差して走る。

 渓谷と平地の中間、階段の踊り場のような段丘上に高崎の小集落がある。そこに「【復興】広域農道整備3003工事」の看板が立ったのは平成31(2019)年春。「新しい農道を造っています」とあった。

 県道から一段下がった夏井川沿いには水田が伸びる。同30年夏から水田に土砂が運び込まれ、さらに水田が掘り起こされて山ができた。大きな玉石もたくさん現れた。

直径2.5メートル前後の大きな玉石が出たときには驚いた。この巨石は「卵石」と命名されいわき四倉中核工業団地に進出した企業の敷地内に、モニュメントとして安置されている。

夏井川渓谷の隠居へ行くたびに工事現場を通る。水田はやがて橋脚と県道の接続道路に変わり、山側にも橋脚が新設された。令和2(2020)年秋には線路と県道をまたいで橋桁が架けられた。

広域農道は四倉の玉山地区に始まり、二ツ箭山中を進んで、小川の福岡から高崎に抜けて終わる“天空のハイウエー”だ。

四倉側にある「上岡トンネル」は、平成15(2003)年10月に完成したが通行はできなかった。小川側も、高崎近くで尻切れトンボになっていた。

未完成部分の工事が震災復興のなかで始まった。終点部の高崎地内と連動して、四倉側でも工事が“再開”された。

令和元(2019)年の秋、上岡トンネルが通れるようになったと聞いて、夏井川渓谷の隠居へキュウリを採りに行った帰り、初めてトンネルをくぐった。

小川の平地から国道399号を駆け上がって二ツ箭山腹の広域農道に出る。トンネルを抜けると、もう四倉分だ。

右手下方に小集落が見える。橋を渡る。道路はゆるやかにカーブし、アップダウンしながら高度を下げる。やがて、平地に下りて県道八茎四倉線に合流した。

四倉町と小川町の丘陵を結ぶ「福島県広域農道」の全ルート約10キロがやっと頭に入った。

 終点の高崎地内では、県道に仮設信号機が取り付けられた。片側交互通行の区間は、100メートル前後はある。この種の工事にしては長い。赤から青になるまでの時間も長い。しかも、対向車両は少ない。

どちらの信号機も赤色の時間帯がある。信号機の裏側には小さな穴があって、信号の色がわかるようになっている。目のいい若者には色が見えるらしい。それで「信号機(の信号)を守ってください」。注意書きが張り出されたこともある。

 先日、この信号機が撤去された。隠居のある集落の住人に聞くと、日曜日(2月27日)の2,3日前だったとか。帰りに跨道(線)橋への接続部を見る=写真。

始まりから終わりまで足かけ4年、毎週のように見てきた工事現場はほかにない。しかも、今度はこの新しい道路を利用して自宅と隠居の間を行き来できる。いよいよ開通が近い?

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