3月3日の晩にちらし寿司が出た=写真。「『ひな祭り』なので」と、カミサンの友達がつくって持ってきてくれた。
酢めしの上にのっているのは、凍み豆腐、シイタケ、エビ、アサリ、薄焼き卵……。晩酌はおかずだけで、ごはんは食べない。夜、久しぶりに「おかず」としてちらし寿司を口にした。
お福分けは食卓を彩るだけではない。家計の助けにもなる。高度経済成長期以前は、どの家も貧しかった。隣近所でおかずのお福分けやもらい風呂をした。それが当たり前だった。
今はバラバラだ。それぞれが“完結”している。隣に住んでいても、あいさつをする程度でつきあいはない、というケースが多い。
わが家は商店(米屋)なので戸は開放している。しかし、普通の民家は人がいてもあらかたカギがかけられている。訪問販売などを嫌ってのことだ――と書いてきて、ちらし寿司から話が違う方へ転がったことに気づく。
家計の話をしたかったのだ。ロシアがウクライナに侵攻してからというもの、「戦争と家計」の問題が頭から離れない。
まずは、わが家の“現実”から。加齢とともに家計は右肩下がりだ。収入は決まっているから、支出を抑えないといけない。
カミサンがときどき決断を促す。生活費はともかく、“教養文化費”(単行本・新聞・雑誌などの購読費)が、会社を辞めたあと激減した。
本は図書館から借りて読む、が基本になった。新聞は5紙を取っていた。それが今は4紙。雑誌などの定期刊行物も徐々に減らして、今は1冊だけになった。
急激に家計が圧迫されるということはまだ経験していない。が、これから物の流れと値段がどう変わるのか、とても気になる。
ロシアの侵攻から間もない日曜日、いつもの魚屋へ行くと、主人が「ロシアの紅ザケは入らなくなって、チリの銀ザケになるかも……」という。
グローバル経済が進展した今、戦争や紛争がすぐ物流の混乱や相場の上昇を招く。ロシアへの経済制裁が次々に実施されている。当然、物流が滞る。
北海道のテレビメディアによれば、年内分の紅ザケはともかく、今年夏以降の新しい塩ザケが入らない可能性がある。すると、別の産地のサケに集中して相場が上がることが予想される。
別の報道によれば、ノルウェーの養殖サケも飛行機がロシア上空を飛べなくなったために入荷が遅れている。同じく、ロシア、ウクライナ産小麦の先物相場も急騰した。
ガソリンなどの価格を抑えるため、政府は石油元売り会社に1リットル当たり5円を上限に補助金を出している。これを25円に引き上げることを決めた。
ロシアの侵略戦争の影響が回り回って、日本の市民の生活も脅かす。それだけではない。ロシアは原発を砲撃した。
私は、原爆を落とされた広島・長崎や原発事故が起きた福島を片仮名で表現したことはない。が、今回は別だ。「ヒロシマ」「ナガサキ」「フクシマ」を経験した日本の一市民として、「第二のチェルノブイリ」が起きないことをただただ念じている。
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