2022年3月19日土曜日

柱時計が復活

                                   
 3・11以来、震度はまず体感で測る。むろん、あとで気象庁のデータを確かめる。階段に積み上げた本の落下具合も目安にする。

 3月16日深夜の大地震は、震源が福島県沖、マグニチュードが7.4だった。宮城県登米市、蔵王町、福島県相馬市、南相馬市、国見町で最大震度6強だった。

いわき市は5強ないし5弱。わが家では本棚や収納ダンスの上にあった置物や写真額、平積みの本などが落下した。階段の本も崩れたが、すぐ片付けることができた。それから想像すると、わが家は5強というより5弱だったか。

ちょうど1年前に今回と全く同じ震源と規模の地震が起きている。そのときの拙ブログの抜粋。

――令和3(2021)年2月13日夜11時7分ごろ、福島県沖でマグニチュード7.3の地震が起きた。

最大震度は6強で、浜通り北部の相馬市などで大きな被害が出た。常磐道相馬インターチェンジの北3キロ地点でのり面が崩落、上下4車線が土砂で埋まったという。

いわきは5強だった。わが家では、階段に平積みにしておいた本が下までなだれを打って崩れた。2階でもやはり平積みにしていた本や資料が崩れて散乱した。

3・11を経験したことで、片付けにどの程度の時間と労力がかかるかは、だいたい見当がつく。寝不足が一番こたえる。動くのは夜が明けてから。万一の断水に備えて風呂に水をため、プロパンガスが使えることを確認して、寝床に戻った――。

今度も浜通り北部などで停電や断水などが相次いだ。宮城県では東北新幹線の高架橋が破損し、走行中の「やまびこ」が脱線した。幸いけが人はなかった。常磐道も南相馬―山元インターチェンジ間が通行止めになった。

3・11から10年という区切りの年に再び大きな地震が襲い、今年(2022年)また追い打ちをかけられる――。自然災害とはいえ、相馬などに住む人々の気持ちを思うと胸が痛む。

県紙によると、専門家は1年前の地震と「双子のような地震」と評している。「昨年の地震で壊れずに残った半分が、1年遅れで破壊された可能性がある」という。

福島県沖は地震多発地帯だ。いわきから見ると、去年、今年と規模の大きな地震が福島県北部の相馬沖で起きた。しかし、福島県南部のいわき沖で、つまり目の前の海できょう大きな地震が起きても不思議ではない、そんな思いになる。

私は去年と違って、今年は風呂に水をためることをしなかった。階段の本の崩れ具合から、そう決めた。

ただ、一つだけ、ポッと明かりがともるようなことがあった。カミサンが店の一角を地域図書館「かべや文庫」として開放している。そこに柱時計がかかっている。もう5、6年前から動かなくなっていた。故障の張り紙もしてある。

 一夜明けた17日、カミサンの声に促されて文庫へ駆けつけると、振り子がチックタックやっている=写真。柱時計が激しくゆすられて長い眠りから覚めたのだった。

0 件のコメント: