2022年5月29日日曜日

スズメバチが侵入

                     
 「クモの巣を嫌って、庭に花を植えない家がある」。知り合いがフェイスブックに投稿した文章を読んで、「なるほど」と思ったことがある。

一種の食物連鎖だ。花が咲けば、蜜を吸いに虫が来る。虫がいれば、それをえさにするクモが現れる。そのクモや虫を狩るハチもやって来る。

 前に一度、1階部分を覆う三角屋根の直下の塩ビ管を出入り口にして、屋根裏(茶の間の天井裏)にスズメバチが棲みついたことがある。

三角屋根の手前、玄関わきの台所の壁に絡まった常緑のつたを切ったタイミングで、スズメバチは姿を消した。

茶の間の縁側の上、波形のポリカーボネートの庇(ひさし)には、毎年、アシナガバチが小さな巣をかけた。

アシナガバチは樹皮の繊維と自分の唾液(だえき)で巣をつくる。その巣は横から見ると、ワイングラスに似る。

正六角形ハニカム構造の巣房(すぼう)がボウル、柄(脚)がステム、付け根がプレートだ。ワイングラスと違って、アシナガバチのステムはとても短い。プレートも小さい。

この巣が2年前の8月下旬、突然消えた。庇の下には物が積みあげられている。一番上には飼っていた猫の寝床(元は人間の乳児を入れておいたわら製の“えじこ”)が載っている。そこをのぞくと、巣があった。ハチたちも動き回っていた。

ポリカーボネートが直射日光で熱せられ、アシナガバチの巣を支えていた根元の“ノリ”が、連日の酷暑で溶けてゆるみ、そっくりそのまま落下したのだろう。この事故が起きてからは、アシナガバチは軒下に巣をかけなくなった。

庭の緑が濃くなり、虫たちが活発に飛び交うようになるのは5月下旬。なかでも、イボタノキの白い花が満開になると弾みがつく。

この花にはアオスジアゲハが吸蜜に来る=写真(2018年5月撮影)。今年(2022年)はしかし、アオスジアゲハより早くスズメバチが現れた。しかも、茶の間に。

ただ迷い込んで来た? いやいや、どうも様子が違う。天井付近、あるいはテレビの裏や本棚、さらにこたつのカバーなどにも下りてくる。なにかを探っているような、変な飛び方だ。もしかして、巣をつくる場所を探している?

 何日か前にも1匹、スズメバチが台所に現れた。窓を開けて外へ誘導したが、それがきっかけになってスズメバチが家の中を飛び交うようになったら困る。

 カミサンは前に、夏井川渓谷の隠居でスズメバチに刺されている。痛みと腫(は)れがひどかったので、救命救急センターへ連れて行った。「また刺されたら、すぐ救急車を呼ぶように」といわれている。

いったん庭へ戻ったスズメバチが再び茶の間にやって来た。いよいよおかしい。ハエたたきを手に様子をうかがうと、天井板のすき間に入り込もうとする。

それはだめだ、天井裏に巣をつくられたら、人間が茶の間にいられなくなる。間合いをはかってパシッとやった。人間の暮らしの領域に侵入してきた以上は自衛するしかない。

0 件のコメント: