2022年5月21日土曜日

土地区画整理事業

 いわき市泉町に住むカミサンの知り合いから電話がかかってきた。「要らなくなったものがある」という。いつものようにアッシー君を務めた。

 あらかじめ住所を書いた紙を渡される。「泉町・滝尻一丁目〇×」とある。正式には「泉滝尻一丁目〇×」だろう。

初めてのところなので、行く前にグーグルマップで場所を確認しようとしたら……。肝心の地図が出てこない。普通は「泉滝尻」でも表示されるのに、どうしたことだろう。

 仕方がないから、検索を続けてそれらしい地域を絞り込む。福島臨海鉄道が小名浜からJR常磐線泉駅へ向かって大きくカーブし、それと交差するように常磐線が走っている。その南側に「泉滝尻一丁目」があることがわかった。

泉第三土地区画整理事業に伴う町名と郵便番号の変更を知らせる地図もあった=写真。変更予定日はなんと「令和4年2月26日」だ。

 それでわかった。町名が変更されて3カ月もたっていない。グーグルマップにはまだ新住所が反映されていないのだ。住所変更を告知する泉滝尻一丁目の企業も、検索は旧住所で――と説明していた。

なるほど。土地区画整理事業で生まれた泉滝尻一、二、三丁目、それに泉町一、七丁目に絞ると、ネット上は古いマップのまま、ということになる。

 とりあえず泉滝尻一丁目の大きな公園を目安に出かけ、公園に着いてからカミサンが電話を入れた。

 公園の北側だということは見当がついていた。が、いざ公園を起点に、カミサンを介して西だ、北だ、といわれてもよくわからない。

いったん大きな目標(スーパーマルト)まで戻る。そこから指示に従って、公園の西側を通りすぎ、常磐線の線路(土手)が見えるところまで北上すると、別の道にオレンジ色の旗が立っていた。

その旗の方へ向かうように、という。旗を目指して進むと、前方にケータイを耳に当てている女性がいた。カミサンの知り合いだった。というわけで、ようやく目的地にたどり着く。

いわき市の「いわきの『今むがし』――泉町」(フェイスブック)によると、泉駅の南側では昭和59(1984)年11月に泉第一土地区画整理事業が、同62(1987)年11月に同第二土地区画整理事業が完了した。駅の北側でも、平成2(1990)年11月に泉玉露土地区画整理事業が完了した。

これらの事業が進められた結果、泉はいわき市内でも人口・戸数が増え続けている地区として知られるようになった。

さらに、今年(2022年)、泉第三土地区画整理事業で泉滝尻一丁目などの新町名が誕生した、というわけだ。

カミサンの知り合いは、震災前は双葉郡に住んでいた。もともといわき出身者だ。原発事故でわが家の近くに避難し、あとで泉に引っ越した。前に古着類を引き取りに行った郷ケ丘の家もそうだった。

 新興住宅街には吸収力がある。そして、連絡がない限り、足を踏み入れることもない。なかでも泉の変わりようにはただただ驚いた。 

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