いわき市立草野心平記念文学館は、夏井川の支流・小玉川の左岸丘陵にある。館内のアトリウムロビーから、小川町のシンボル・二ツ箭山が見える。
4月23日から企画展「草野心平の命名 名前・名前・名前」が開かれている。それについては後日、触れたい。
文学館の情報コーナーに「ギャラリー手ノ倉」のリーフレットがあった。ハンバーグで有名なレストラン「ヒュッテ手ノ倉」は知っている。そことは違う。新しい店だ。
例によってカミサンが「行ってみたい」という。住所は小川町塩田字手ノ倉1番地。リーフレットの地図に従って道を下ると、「ヒュッテ手ノ倉」が左に見える。
その先、小さな墓地のある角を左折し、またすぐ左に折れると、普通の民家の軒先に「ギャラリー手ノ倉」の看板があった。
手前に大谷石の倉、左手奥には2階建ての物置、そして母屋がある。物置をギャラリーに改造した=写真上1。
文学館の住所は小川町高萩字下タ道(したみち)。高萩地区はふもとの夏井川から小玉川左岸に沿って、文学館の上流、小玉ダムの先まで細長く続く。
塩田地区はその北隣、夏井川渓谷までのびた同川右岸一帯を指す。ヒュッテもギャラリーも、地名を店の名前にした。
下タ道と手ノ倉は、同じ山の上と下の関係だ。文学館のあるあたりで標高はおよそ150メートル、ギャラリーは110メートル前後だろうか。
大谷石の倉の前に車を止めてギャラリーの入り口に立つと、母屋から女性が現れた。ギャラリーを主宰する仲原常子さんで、あとからご主人の正治さんも加わった。
そこは常子さんの実家だという。この20年ほどは月に1回、自宅のある横浜から通って晴耕雨読の生活をしている。
色遣いとデザインが独特の作品があった。エイブルアート(障害者芸術)、あるいはアールブリュット(正規の芸術教育を受けていない人たちが生み出すアート)の範疇に入るものらしい。ほかに陶器や現代アートも扱っている。
私たちが訪ねたのは日曜日の5月1日。前日の4月30日にグランドオープンをしたばかりだという。
横浜との「2地域居住」のため、開廊日は限られる。5月は5日まで、6月は4、5、25、26日の4日間だ。
ギャラリーのオリジナル商品としては、古着や端切れで小さなオブジェをつくる美術家安部泰輔さん(大分県)の「心平カエル」がある。
カエルは目を細めてほほえんでいる。「心平さんに似ているでしょう」という。確かに。今にも合唱が始まるのではないかと思うほど、ボードにカエルがいっぱい飾ってあった。
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