マタタビはつる性の木だ。梅雨のころ、白い花が咲くと同時に葉が白くなる。その白い葉が夏井川渓谷でも目に付くようになった=写真。
白い葉はやがて緑色に戻る。つまり、この時期だけ「ここに花があるよ」と虫たちに知らせているのだろうという。
この葉にまつわるニュースが最近、ネットにアップされた。岩手大などの研究で、ネコが葉をかむことで蚊よけ効果と幸福感が高まることがわかった、という。
去年(2021年)も似たような記事が新聞に載った。なぜ、今になって再び? 去年1月31日付の拙ブログを読み返して、その後の研究成果がどんなものか推測できた。まずは拙ブログを要約する。
――「猫にまたたび」ということわざがある。非常に好きなもの、あるいはそれを与えたら効果が著しいことのたとえに使われる。マタタビの枝葉をネコに与えると、顔をすりつけたり、体をこすりつけたりする。
そのワケを岩手大や名古屋大などの研究チームが解明した。「蚊よけ」のため、というのが「結論」だ。
新聞によると、マタタビに含まれている成分の一つ、ネペタラクトールに猫が反応した。この成分は蚊を寄せ付けない効果を持つ。
研究チームは「マタタビ反応は寄生虫や病気を運ぶ蚊から身を守る重要な行動」と結論付けた。
しかし、「ネコがマタタビで酔ったようになる陶酔状態の関連性はわかっていない」という。
ネコ科の動物は繁みに潜んで獲物が来るのを待つ。繁みには蚊が多い。蚊よけ効果のあるマタタビの枝葉を顔にこすりつけるワケはわかった。しかし、媚薬に酔ったようになるワケを、ほんとうは知りたいのだ――。
それから1年4カ月ほどたった時点での岩手大などの発表は、時事通信の場合だと、「マタタビの葉、かむと効果増強 ネコに幸福感・蚊よけ 有効成分の比率変化 岩手大など」という見出しになる。1年前との違いは、無傷の葉と傷ついた葉の成分の違いを突き止めたことだろうか。
あるテレビ局によると、マタタビの葉にはネペタラクトール(蚊よけ効果のある成分)とマタタビラクトン(ネコが酔ったような反応を示す成分)が含まれている。葉が傷つくと、これらの放出量が10倍以上になる。さらに、二つの成分比率が変わり、マタタビラクトンの割合が増える。つまり、蚊よけ効果が高まり、幸福感が増す、ということだった。
確か主な研究者は若い大学院生だったように記憶する。彼女の研究がこつこつと成果を上げている様子が、今度のニュースからわかった。1年ほど前は衝撃を受け、今回は持続する探究心(好奇心)の大切さを思った。
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