山里へ行くと、クリの花=写真=が目に付くようになった。このごろはその形状から「白いドレッドヘア」という言葉が思い浮かぶ。これも梅雨の花といってよい。
東北南部が6月15日に梅雨入りをしたとたん、気温が「夏型」に変わった。おととい(6月20日)も朝から気温が上昇した。薄曇りのような青空――それが玄関を開けて庭へ出たときの第一印象だ。
朝、行政の回覧資料を配る。そのあと、銀行へ行く。家電量販店に寄る。車を使いながらも、ちょっと体を動かしただけで汗がにじんだ。
さすがに座卓(元こたつ)を冬仕様のままにしておくわけにはいかない。まずはカミサンの指示で座卓カバーを取り外し、座いすの周りの資料や本を隣の部屋に移す。
カーペットの下には電気マットがある。これまではマットも取り外していたが、それだとかなりの手間がかかる。それは省略して、カーペットに掃除機をかけてから座卓を戻し、藍染の布1枚だけをカバーにして夏バージョンに変えた。
年2回、冬から夏、夏から冬へと茶の間の“衣替え”をすることでやっと、夏は足元が涼しく、冬は暖かくなる。
そうして夏仕様の座卓で調べものをしていると、テレビのわきにある電子時計の数字が目に留まった。11時20分で気温が30.3度、午後も2時を過ぎると31.6度に上がっていた。なんと、わが家では今年(2022年)初めての真夏日ではないか。
夕刊のいわき民報も同日、山田町で最高気温が30.7度と、いわき市内で今年初めて真夏日になったことを報じていた。
梅雨入り後の気温上昇に合わせて、ほんとうの衣替えもした。長袖シャツから半袖シャツへ、冬ズボンから夏ズボンへ。おとといは、その半袖さえ脱ぎたくなった。
そんなときにいつも思い浮かぶ写真がある。昭和30(1955)年前後の田舎の一家だんらんを写したものだ。子どもはランニングシャツに半ズボン、大人も上半身はランニングシャツだ。
還暦後、同級生と台湾を旅行したとき、通りの家々にいるオジサンがことごとくランニングシャツと半ズボン姿だったのに懐かしさを覚えたものだ。
この日は扇風機も出した。こうなると、晩酌はただの水では生ぬるい。ポットに氷を入れ、冷えた水で焼酎のチェイサーをしたが、なにかが足りない。
地元資本のスーパーが宮城県角田市の梅干しを売っていたときには、赤い梅酢が容器に残った。それを冷えた水に垂らして涼味を楽しんだが、このごろは昔ながらの梅干しがなかなか手に入らない。
晩酌には冷ややっこが出てきた。家の中が夏模様に切り替わった一日の締めにふさわしい一品だった。
夏至のきのうは、北からの風が通り抜けて行ったため、おとといよりはしのぎよかったが、それでも昼には室温がほぼ28度になった。
これから昼が短くなっていくとはいえ、「暑い梅雨」のあとに真夏がやってくる。台湾のような暑さを想像して、年寄りはとにかく熱中しないことだ、と自分に言い聞かせる。
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