夏井川渓谷の隠居へ行くのに国道399号を利用する。磐越東線にかかる跨線橋のてっぺんに来ると、パッと空が開け、小川の集落が一望できる。そこが詩人草野心平のふるさと――。
6月5日の日曜日は、朝、青空が広がっていた。飛行機雲が何本もできていた=写真。交差しているところもあった。
左前方(南)には水石山、右側方(北)には二ツ箭山。水石山の頂上には国交省の洋上航空路監視レーダーが2基ある。
飛行機雲ができるのは、上空が湿っている証拠で、やがて曇りや雨になることが多いのだという。
この日はいわき駅前の本町通りで「三町目ジャンボリー」が開かれた。天気が崩れる前に街へ戻ってジャンボリーをのぞこう――そう決めて、隠居での土いじりを1時間ほどで切り上げた。
三町目では、いつもの物販のほか、ストリートコンサート、まち歩き、三町目クエストが行われた。コロナ禍後では初めての通常開催だったそうだ。
いつものブースがあり、いつものメンバーがいる。ところが、野菜を直売する生木葉ファームが出店していない。
主催者の話では、ファーム代表佐藤良治さんが先日、急に亡くなった。「ええっ!」である。あとでネットで調べると、「幡ヶ谷再生大学」というNPO法人の地元組織「福島自主練」が佐藤さんの訃報をアップしていた。
東日本大震災後、同団体に復興再生部が発足する。さらに、いわき市好間町にある生木葉ファームを支援する「福島自主練」が誕生する。
「福島自主練」のツイートによれば、佐藤さんは5月15日夜、自宅で倒れ、翌日深夜息を引き取った。同21日に告別式が行われたという。
同自主練はこれまで佐藤さんの有機肥料づくりを手伝い、草むしりなどをしてきた。この5月28、29日も、同ファームで草むしりなどのボランティア活動をしたそうだ。
有機無農薬で栽培される同ファームの野菜は、味の良さでも定評がある。私らも三町目ジャンボリーのほかに、同ファームの直売所を訪ねてはニンジンなどを買った。
春から秋、夏井川渓谷の隠居から上流へ足を延ばし、あるいは川前から山を越えて直売所を巡る。
小野町・おのいち。平田村・道の駅ひらた。なかでも、三和町下市萱・ふれあい市場へはよく行く。ときにはその足で好間町榊小屋まで下り、ギャラリー木もれびと、近くの生木葉ファームに寄る、ということを繰り返してきた。同ファームからちょうだいしたヘチマでたわしをつくったこともある。
「三町目ジャンボリー」のときに佐藤さんから聞いた話が忘れられない。「ナスは、朝採って夕方食べるときには、柄を長くつけたまま摘む」。へたのところでもぎると水分が逃げやすく、鮮度が落ちるということだと理解した。
以来、隠居でナスやキュウリを栽培すると、柄は長くつけたま摘むようにしている。経験に裏付けられた具体的なアドバイスがありがたかった。
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