きのう(6月25日)は梅雨の晴れ間になった。朝のうちに室温が30度を超えた。おとといも夕方近くに室温が30度を超えた。
おとといの夜、三春ネギの種を水につけ、殻や砂などを除いて陰干しをした=写真。一晩で種は乾いたようだが、念のためにきのう午後まで軒下に出しておいた。ネギの種選り作業をしめくくるにはいい天気だった。
なぜ三春ネギの種を採るかというと、むろん「自産自消」のためだ。きっかけは酒の飲み過ぎだった。
阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が起きた平成7(1995)年、高齢の義父に代わって夏井川渓谷の隠居の管理人になった。マチの隣組とは別に、渓谷の隣組にも入った。そのころは土・日と滞在した。
一夜、ある家に招かれて酒盛りをした。闇夜のV字谷である。隠居へ戻るまでにイノシシと遭遇しないともかぎらない。勧められるままに一泊した。
朝食にネギとジャガイモの味噌汁が出た。それを口にした瞬間、味蕾が反応した。子どものころ、田村郡(現田村市)の実家で食べていた味噌汁と同じ味だった。スーパーで売っている硬いネギと違って、甘くて軟らかい。聞けば「三春ネギ」だという。
そのころ、隠居の庭を“開墾”しながら家庭菜園のようなことを始めていた。がぜん興味がわいて、翌年春、おばさんからネギ苗を譲ってもらい、三春ネギの栽培を始めた。
三春ネギは秋まきだ。ネギ坊主から種を採ることを覚えたものの、2回ほど常温で保存して発芽に失敗した。種を冷蔵庫で保存するようになってからは、採種~播種(10月10日ごろ)~発芽~定植がスムーズにいくようになった。
ネギの種は寿命が短い。冷蔵庫で保管しても持って2年だ。ネギ自体も病気や根っきり虫にやられる、といった理由で本数が激減することがある。
3年前の秋、種をまいたら湿って腐敗していたために発芽しなかった。次の年の春、田村市の実家に頼んでネギ苗を調達した。去年(2021年)、やっと種採りを再開した。
栽培も、採種も危うい環境の中で行われている。そのなかで、ひとまず種を確保した。きのう、小瓶に乾燥剤と種を入れて冷蔵庫にしまった。あとは10月10日まで無事に眠っていてくれることを願うのみだ。
さて、採種だけでなく苗の定植も済んだ。余った苗は「葉ネギ」として持ち帰り、ネギとジャガイモの味噌汁にして食べた、のだが……。
ジャガイモが硬かった。はずれだった。煮崩れしない程度に軟らかくなると、三春ネギのほのかな香りと甘みが絡まって、舌が「うまい」と反応する。そうはならなかった。ジャガイモも選ばないといけないようだ。
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