「大変な一日」というタイトルをつけたが、携帯無線大手の通信障害に巻き込まれたわけではない。事故の発生時間はたぶん前後していたかもしれないが。
土曜日(7月2日)の早朝6時前、夏井川渓谷の住人、Tさんから電話が入った。隠居の敷地と道路の境の柵が壊れているという。すぐ夫婦で確かめに行った。
柵は丸太を支柱に、一番上を角材でつなぎ、太い番線を3本、横に張ったものだ。アカヤシオ(岩ツツジ)が咲く春と、紅葉が美しい秋、行楽客が敷地に勝手に入り込むので、私有地であることをわかってもらう意味も込めて、知り合いの大工氏に頼んで柵を設けた。
朝はとんぼ返りをし、午前中、仲間といわき地域学會の仕事をしたあと、再び隠居へ出かけて警察の現場検証に立ち会った。
この暑さとのっぴきならない事態発生のために、土曜日はほとんど自分の時間がとれなかった。新聞も読まず、朝寝も、昼寝もする暇がなかった。大変な一日になった。
そのせいか、翌日曜日は隠居へ行って土いじりをする意欲がわかない。代わりに、たまった雑用をこなすことにした。
まず、道の駅よつくら港へ梅干しと野菜を買いに行き、平の街へ直行してあれこれ用を足し、昼は潮風に当たりたくて薄磯海岸へ車を走らせた。
四倉海岸の駐車場は朝の9時過ぎなのに満パイ状態だった。この暑さだもの、海開き前から海水浴客がやってきても不思議ではない――そう思っていたが、あとでSNSにサーフィン大会が開かれているという情報がアップされた。
薄磯の駐車場もけっこう車で埋まっていた。こちらは海水浴というか、波打ち際で水遊びをする家族連れやグループなどでにぎわっていた=写真。数としては120人余り、そんなところか。
午前11時過ぎ――。思ったより海風は弱い。海岸の北、賽の河原近くの波打ち際に横長の岩塊が露出している。「護摩(麻)磯」という。
そのあたりが、うっすらガス(海霧)に覆われていた。ガスがかかったと思うと晴れ、見通しがよくなったと思ったらまたガスがかかる、その繰り返しだ。
「大国魂神社は豊間の磯で、八剣神社は薄磯で、両二荒神社と白山神社は護麻磯で、佐麻久嶺神社は中屋の磯で、薄井神社は明神磯で行う」
『岩崎敏夫著作集4 村の生活聞き書』(名著出版、1991年)に、平方部の「オシオトリ」のことが書いてある。それを思い出しながら、磯のガスの揺らぎを眺めていた。
街へ出たために、上は半袖シャツ、下は長ズボンとよそ行きの格好だ。砂浜に立つと熱気がこみあげてくる。体から汗がにじみ出てくる。
カミサンは日傘をさして貝殻拾いをした。砂浜には2センチ前後の穴がいっぱいできていた。「この穴はなに?」。帰宅後、検索したら、スナガニがヒットした。正解かどうかはともかく、これでようやく気持ちがすっきりした。
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